第1話 転生
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西暦2012年7月7日。
この日、日本の某大学に通っていた一人の男は、突如目の前の光景がグニャりと曲がるという事態に遭遇した。
「(な、なんだこれ……)」
徐々に、頭の中が真っ暗になっていく。
「(ちょっ…何が……まさか、死ぬのか俺?)」
彼が最期に呟いた言葉は、
「誰か…俺の外付けHDDの中を消去し…て……」
であった。
* * *
<アドルフ>
俺の名はアドルフ・フォン・ハプスブルク。
………実は転生者だ。
日本のとある大学で気楽な学生生活を送っていたはずが、気づいたら赤子になっていた。
両親とはとっくに死別しているんで特に未練とかは無いんだが、唯一の気がかりはハードディスクの中身を誰かに見られてないかだ。
あの中には人に見せられないものが大量に……。
今更気にしてもしょうがない話だが、気になるものは気になるんだ!
で、我が新たなる人生なんだが、なんと銀河帝国名門中の名門であるハプスブルク公爵家に生まれちまった。
しかも銀英伝の世界ですよ!
死亡フラグ満載じゃねぇか!!
って、俺の母がフリードリヒ4世の娘……だと?
ウソだろ!?
原作にはそんなの無かったぞ!
後に母から聞いたことだが、母も転生者だそうだ。
前世でも女性だったらしいので安心した。
もし、前世が男だったらどうしようかと……考えただけでも悍ましい。
母は銀英伝については知らなかったようで、むしろここが小説の中の世界っぽいと知って驚いていたくらいだ。
つーか、調べてみたらうちの家系転生者何人もいるんじゃね? って思う。
だってうちの領だけだぜ、2chがあんの。
何故かエロゲやフィギュアの製作専門部署まであるし。
まあ、そのせいなのかは知らんが、ハプスブルク領の男女格差は他領ほどじゃない。
これもう確定だろ。
もしかして、ハプスブルク公爵家なんて原作には無かったのがあるのはこのためか?
まあいい、とりあえずはガキの俺には今の段階でできることはない。
貴族生活をエンジョイするとしますか。
・・・・・
って感じで貴族生活を堪能していた俺に最初の転機が訪れる。
10歳になったとき、親父であるウィリー・フォン・ハプスブルクが脳溢血《のういっけつ》で死んじまった。
彼の上杉謙信と同じ死に方したんだから親父も本望だろう。
酒の飲みすぎには注意だな、うん。
後を継いだ俺は10歳にして銀河帝国の名門、ハプスブルク公爵様だ。
笑え笑え〜〜〜。
…………
と、現実逃避しててもどうにもならん。
目の前の問題に集中せねば。
領地経営?
何それ食えんの?
つーか、10歳の子供にどうしろと?
前世も合わせれば30になるが、
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