第五章
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「あまりね」
「よくないのね」
「止めた方がいいわ」
こう忠告するのだった。
「出来る限りね」
「そう、じゃあ止めておくわ」
「ええ、そうしてね」
まさに生活の知識からのアドバイスだった、アルバイト先で先輩達の話を聞いて直接教えてもらった。
そして家でもだ、卓也にこう言われる様になっていた。
「おいおばさん」
「何よ」
「醤油取ってくれよ」
こうした感じで言われていた。
「ちょっとな」
「あんたは今は塩分摂らない方がいいから」
泉水は弟の要望にこう返した。
「部活引退して毎日夜遅くまで受験勉強でしょ」
「それの何が悪いんだよ」
「運動してなくて毎日深夜まで勉強してて」
それでというのだ。
「身体に負担かかってるから」
「それでかよ」
「そう、今は塩分控える」
そうしないと駄目だというのだ。
「身体に悪い」
「それまたかよ」
「バイト先で教えてもらった」
工場にいるおばさん達にというのだ。
「汗をかいた時は塩分を摂るべき、けれど」
「そうじゃないとか」
「程々にすべきだから、それに今日お味噌汁が出てるし」
直食にというのだ。
「梅干しもお漬物もあるから」
「だからかよ」
「お醤油は止めた方がいい」
「海苔漬けようと思ってるんだけれどな」
「余計に駄目、どうしてもというならランニングでもして汗かくこと」
そうして塩分が必要な状況にすることだというのだ。
「そうしないと駄目」
「ちぇっ、またおばさん達に言われたことかよ」
「そう、それなら」
「わかったよ、仕方ないな」
母に止められた時と同じ様にだ、卓也は憮然としてだった。
醤油は諦めた、そうしてそのまま朝食を摂って学校に行く時に自分も登校しようとする泉水に言った。
「本当に色々変な知識身に着けてな」
「それでっていうの」
「お母さんよりおばさん臭くなったよ」
「そうなの」
「何でもかんでもな、女子力も高まるとな」
それこそというのだ。
「おばさんと変わらないな」
「女の子が成長するとおばさんになるから」
泉水はふてくされた様に文句を言う弟にこの真実を話した。
「おばさんの知識イコール女子力」
「そうなるのかよ」
「私アルバイト先でお金とそちらも貰ってるから」
「変なの貰ってるな」
「これからもアルバイトしていくから」
「折角ケーキ工場でアルバイトしているのにケーキは持って帰って来ないのかよ」
「商品だから」
これが泉水の返答だった。
「だから」
「造り損ないとかないのかよ」
「簡単な流れ作業だから」
「ちぇっ、ケーキ工場じゃなくておばさん養成機関かよ」
「まさにそれ」
泉水は弟の文句ににやりと笑って答えた、そのうえで学校に行った。そして学校の帰りにはま
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