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女子力
第三章

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「黒木さん凄いわね」
「女子力あるわね」
「もう生活のことならね」
「何でも知ってるわね」
「お料理でもお掃除でもね」
「お洗濯でも」
「刺繍のことだって」
 これまでクラスでは日陰にいた泉水に注目が集まっていた。
「お化粧の仕方も知ってるし」
「私マニキュアのいい塗り方知ってもらったわ」
「あと猫の飼い方とかね」
「犬のいいお散歩の仕方とか」
 そうしたものを全てというのだ。
「何でもね」
「よく知ってるわね」
「何でもね」
「こと女の子のことは」
「まあ変なことも知ってるけれどね」
「それもあるわね」
 こうしたことも話されていた。
「旦那さんの浮気チェックの仕方とか」
「子供の躾け方とか」
「夫婦喧嘩の話よく知ってるし」
「ゴシップの話題も多いし」
「妙におばさん臭いけれど」
「仕草は特にね」
 泉水のこうしたことも話されていた。
「どんどんおばさんになってるけれど」
「女子力はあるのよね」
「それも凄く」
「最初は暗い娘かって思ってたら」
「それが随分変わって」
「凄い女子力出してきたじゃない」
 こうしたことから泉水の評価は上がって来ていた、それは家でも同じであったが弟の卓也は家のリビングで綿棒で耳掃除をしている姉に言った。弟は背が高くすらりとしていて明るい感じである。如何にもリア充の感じだ。
「姉ちゃん最近どうしたんだよ」
「どうしたって何が?」
「最近どんどんおばさん臭くなってるぞ」
「そう?」 
 泉水は綿棒で耳掃除を続けながら弟に返した。
「別にそうなってないでしょ」
「いや、なってるからな」
 そこは間違いないと返す弟だった。
「アルバイトはじめてから」
「ああ、あれね」
「最近ずっと行ってるよな」
「これといって入りたい部活なかったし」
 泉水はこう弟に返した。
「お母さんに勧められてはじめたけれど」
「そうしたらかよ」
「バイト代いいし作業員もいい人達ばかりで」 
 それでというのだ。
「続けてるけれど」
「何かどんどんおばさん臭くなってるぞ」
「色々教えてもらってるのよ」
「そうなのかよ」
「そうだよ、仕草やら言うことやらな。好きな番組だってな」
 テレビのそれもというのだ。
「料理番組とかドラマとかゴシップとか好きになったしな」
「工場で言われたのよ、面白いって」
「そういう番組がかよ」
「それで観たらね」
 今はドラマを観ている、今売り出し中の若手女優が主演のドラマだ。
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