第四章
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「何でスカウトされまくってるのに」
「それだけ奇麗なのにっていうのね」
「水虫になるのよ」
「そう言われても」
カレンは困った顔で妹に返した。
「原因はもうあんたもわかってるでしょ」
「ブーツのせいでね」
「夏に履き過ぎてね」
「通気性がないブーツばかりだからね、お姉ちゃんのは」
「それでじゃない」
「それだけ美人でも水虫になるのね」
「なったからには仕方ないでしょ」
妹にむっとした顔で返した。
「それは」
「私も美人だから気をつけないとね」
「そこでそう言うの?」
「言うわよ、何度も」
妹は姉のルックスを認めつつもそのうえで姉に水虫のことを言うのだった、だがカレンは水虫で苦しみ続けつつ。
何とか治した、そうして自分の足を見つつローラに言った。
「いや、本当にね」
「苦労したわね」
「長かったわ」
水虫になっている期間はというのだ。
「これまでね」
「痒かったわよね」
「痒くてね」
しかもと言うカレンだった。
「尚且つね」
「伝染病患者扱いで」
「それも嫌だったわ、友達にはひた隠しにしてて」
「プールも行けなくて」
「折角新しい水着を買ってもよ」
それも自慢のだ。
「それでもよ」
「着て披露出来なくて」
「大変だったわ」
「全く、水虫は大変ね」
「色々苦しんだわ、だからね」
「もう二度とよね」
「ならない様にするわ」
こう妹に言うのだった。
「絶対にね」
「そうするのね」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「あんたも気をつけなさいよ」
妹を見て言うのだった。
「いいわね」
「私が?」
ローラは姉の言葉を鼻で笑って否定した、そのうえで姉に言った。
「水虫になんかならないわよ」
「それだけじゃないわよ」
「他のそうした病気にもなの」
「そうよ、ならない様にね」
「水虫は気をつけてるしそれによ」
「それに?」
「男の子との経験もないし」
これは実はカレンもだ、姉妹揃って異性には奥手だったりするのだ。
「これからもそっちには気をつけるし」
「それは当然でしょ」
「だからよ、そうした変な病気にはね」
「ならないっていうのね」
「そうよ、私には心配無用よ」
「だといいけれどね」
「お姉ちゃんと違うから」
水虫になったカレンとは、というのだ。
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