第8話 飛び交う策謀
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ォーク》さえ用意されてあった。
板金などが作る物陰は確かに戦略が生きるし、二階足場は狙撃に持って来いだろう────この地形は、戦略次第でいくらでも戦況を変えられる地形だった。
「……へえ、もっと自分に有利なフィールドこさえてるもんだと思ったが」
「どう、する……にぃ?」
空と白は施設内を探索して、戦略を構築していた。
2vs1で行われるサバゲー────それならば、まず確実に人数の利を生かす策が常套と言えるだろう。
だが、互いに離れられない空と白では話が違う。2人が団体行動しなければならない前提では取れる戦略が非常に限られる────その上、二人分のスペースがあるハイドポジションしか使えないというのは相当なマイナスだ。人数の利を潰し、さらに隠れる場所を限定するなど悪手でしかない。だが、『 』はその悪手を打つしかない。
それを補うための策が必要なのは────自明だった。
「白、不意討ちじゃ削り切れない。あの跳弾弾幕、使えるか」
「ん。がん、ばる……」
空は、白に短く問う。白は当然と言外に告げるように、こくんと頷いた。
東部連合攻略の際にも見せた、跳弾を使った神憑りな弾幕────現実の空間であるここではそれを使う難易度も、使える場所も、そもそも弾幕自体の精密性も厚さも違う。それでも白は使えると、そう断定した。
ならば────と、空は脳裏に無数の策を浮かべては消し、不敵に笑った。
「白、とりあえず言っとくが────このゲーム、絶対に楽なゲームにはならねぇ」
「……ん」
「だが────負ける気なんざ、ねえよな」
「……ん」
「よし、やるか」
空と白は、そう手短に会話を交わす。普段なら確認すらしない自明の理を────だが口に出す。
それは、相当な無茶をやると断言した白に応えると、空が暗に示している事を意味した。
空と白は、それ以降一言も発することなく、だが全て考えが伝わっているように同じ物陰に姿を隠した。
互いに、同じ策に至ったのだ。そして、それを確認した2人は互いに笑みを深めて、ハイドを決め込みシグが来るのを待った。
────フィールドの扉が開くのに、そう時間はかからなかった。
カツン、カツン、カツン――――足音が響き、その発信源が近づく。
構える空。それに倣う白。迫るシグ。
高まっていく緊張感の弾けたその瞬間────
────三対の愚者が、交錯した。
最初は、空だった。
物陰から飛び出し、反応するシグより早く引き金を引く。
────存在を気取られていない状態での不意打ち。如何にシグの身体性能が高いと言えど、目視してから弾丸を避けるなど有り得ない。故にこの一撃は必中────不可避の初撃だった。
無論、シグ
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