第8話 飛び交う策謀
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ったであろうルールの穴を指摘した。
「なにしゃあしゃあと嘘ついてんだ。リアルファイト禁止しなけりゃお前無双じゃねえか。それに、俺らを先にフィールドに入れてお前がフィールド外から一方的に銃撃するのも禁止。ゴム弾以外の弾を込めた銃渡すのも禁止────ったく、こんな安い手に引っかかるかよ」
そう、シグが仕組んだ策の一つをいとも容易く切り捨て、空はシグが寄越したエアガンを発砲した。その銃口からは、プラスチック製の弾丸が吐き出された。
────空がこれに気付かずゲームを始めていれば、プラスチック製の弾丸では『ゴム弾一発の着弾で残機が1減る』というルールによってシグの残機を減らせず負けていた。つまり、シグはルールに罠を確かに仕組んでいるのだ。
それこそ空と白が『 』優位のゲームを疑う理由だった。空が見抜けていないルールの穴が、あるいはあるかもしれない────その懸念が、シグを相手には振り払う事が出来ない。
故に空は警戒するしかない。そんな空の行動に、シグは『及第点』とでも言いたげに不敵に笑う。そして、満足げに聞こえる声でこう言った。
「……さすが『 』、こんな子供騙しは通用しねえか」
顔色一つ変えずにそう言うシグに、動揺は見受けられない。どう考えても、空が暴いたルールの穴が本命の策とは考えられない────シグは、最初から期待していなかった策を、確認程度に行っただけなのだろう。
つまり、今空が見抜いたルールの穴は見抜かれる前提で作ったという事だ。ならばやはり、空には見抜けていないルールの穴がある可能性が高い────それ次第ではゲームバランスがひっくり返る事さえ有り得る。空と白は、より一層深まった疑念に冷や汗を一筋垂らした。
「ああ、ジブリールやらイミルアインやらの参加は流石に禁じさせて貰うぞ?他種族とサバゲーなんて無謀、俺でもやらない────『ルールの穴』、お前らに突かれちゃ世話ねえ話だしな?」
シグは空を煽るようにわざわざ『ルールの穴』を強調して、『 』の手札を封じてきた。相手も人類種とはいえ、バックアップなしでのゲーム────これでは予想外に対して取れる対応策が極端に少なくなる。それに気づいて、空は歯噛みした。
「最適なフィールドを用意してある────ジブリール、東部連合に飛んでくれ」
シグはそんな『 』の様子を知って知らずか、淡々とジブリールに『命令』した。
拒否権は無いから、と皮肉に付け加えたシグに────ジブリールは、歯軋りをしながら空間転移した。
シグが指定したフィールドは、東部連合の鉄鋼業施設だった。
そこには板金が積まれ機械が設置され、施設上部には|足場《キャットウ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ