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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
最終章 蛇王再殺
第三十九話 伝説終焉
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馬鹿な!アルスラーン、貴様何故動ける!貴様、予の意に従えぬというのか!」

「ああ、お主などに従うつもりはない。お主、カイ・ホスローの魂がルクナバードと一体化した理由を考えなかったのか?カイ・ホスローの魂は、没後の三百年で無数のパルス人と大陸周辺諸国の者の尊崇を集めたことで神格を得た。パルス人としてのお主の軛を抜けたのだ。そして、そのカイ・ホスローと一体となったルクナバードが今私に加護を与えてくれている。お主の支配など、もはや私に届きなどしない!」

「な、何…」

「皆よ、全土のパルス人たちよ!英雄王の志を継ぎしアルスラーンが今告げる。今こそ、ザッハークの軛から解き放たれよ。お主らはもはや自由だ。何者にも支配されることなく、己自身として生きていけ。お主らになら、それが出来るはずだ!」

その瞬間、世界中のガラスが同時に砕け散るかのような音が響き渡った。大陸全土に、いや、この星全てに届いたかもしれない。今、確かに世界の理が書き換えられたのだ。

そして、

「う、動く、動ける!皆、大丈夫だ。もう動けるぞ!」

「おお、本当だ!」

パルス人たちはまだ本調子の動きではないが、パルス人ではない俺たちはもう何の問題も無く動ける。ザッハークと相討ちになんかさせないと誓ったんだ。このまま立ち止まってなんかいられるものかよ!

「おおおおおおおおおお!!」

俺は自分自身を鼓舞するように叫びながら、ザッハークに突進した。ザッハークは声を頼りにこちらに向き直るが、もう遅い!俺の一閃はザッハークの剣を構えた右腕を斬り払い、返す刀で左腕を斬り飛ばした。

「今だ!アルスラーン!」

「終わりだ、ザッハーク!!!」

宝剣ルクナバードがザッハークの脳天から腰にかけてを存分に切り裂いた。未だに蒼い炎がくすぶり続ける眼窩で天を仰いだザッハークは一歩、二歩とよろめき、そして轟くような響きを上げて倒れ伏した。

蛇王ザッハークの伝説が終焉し、解放王アルスラーンの伝説が今ここに始まったのだ。

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