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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
最終章 蛇王再殺
第三十九話 伝説終焉
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腕両足を切り刻まれ、腕すら上がらなくなる。もはや奴は棒立ち、このまま押し切れる。そう思った瞬間だった。
「控えよ、我が下僕ども!汝らが神にいつまで剣を向けておる!!」
「!!!」
ザッハークの雷喝に、パルス人たちの動きが一斉に止まる。確かに天地が震えるほどの迫力を帯びた声ではあった。だが、嘘だろ?戦士の中の戦士、ダリューンが武器を取り落とすだと?他のパルス人諸将も膝をつく者、おこりのように震えて立ち尽くす者と様々だが、皆一様に戦う気力を奪われていた。パルス人ではない他の者達も、息を荒げ、落ち着くために必死に自分を宥めねばならなかった。
「ザッハーク!これがお前の切り札か!この支配力で、カイ・ホスローに殺されるのを防いだと言うのか!」
俺の声までが震えていた。俺は奴の下僕ではないはずだが、それでも気圧されずにはいられなかった。
「言ったであろう、予は神だとな!予はジャムシードの時代までのパルス人を全て殺し、家畜として美味なる脳味噌を持つ新たなパルス人を創り上げた。予に従順で、予の恐怖を魂の底にまで刻み込んだ下僕としてな。だが、良かったではないか。予が創り直したお陰で大陸公路周辺諸国で最強を誇ることが出来たのだ。その代り、腹芸も出来ぬ不器用さをも併せ持つことになったとしてもな!」
なるほど、パルス人の精強さは、ザッハークが創り変えた賜物だということか。確かに、他国人とは別格と思える部分があったよな。そう言えば、共に他国人を伴侶としたダリューンとアルスラーンだが、両方ともあり得ないほど子供が出来るのが早くなかったか?まさかそれもパルス人が持つ特性なのか!
「では、予はここでお暇させてもらうとしようか!腐ってもカイ・ホスローの体なのでな。諸侯や領主は喜んで予の前に膝を折ってくれるだろうよ。その前にお主らはここで死んでもらおう。…目が再生出来ぬ。見えぬので手心も加えられん。さぞや醜い死体になるだろうが許せよ?」
満身創痍のザッハークだが、全身に負った傷の内、通常の武器で付けられた傷が少しずつ回復していっている。奴が緩慢な動きで剣を拾った。盛んに手の平を結んだり、開いたりしているが、表情が険しい。両手首のラクシュの弓で撃たれた傷は回復せず、本来の力は出せないのだろう。だが、それでも剣を握ることぐらいは出来るようだ。剣を携え、奴がゆっくりと近づいてくる。まずい、このままではやられる!
だが、両足は縫い留められたかのように動こうとしなかった。動けぬ。奴の放つ殺気が、威が、身じろぎすら阻んでいた。馬鹿な、ここまで来て、何も出来ずにこいつに殺されるだけだというのか!
「いいや、死ぬのはお主だ、ザッハーク!」
凛とした、覇気を孕んだ声が辺りに響き渡った。この声はアルスラーン?お主、大丈夫なのか?
「ば、
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