巻ノ百五十 本丸の死闘その九
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「朝は早くに起きてな」
「日の出前に」
「そしてまたですな」
「修行をされますな」
「その様に」
「そうじゃ、そして風呂もじゃ」
天海の顔がここで笑みになった、そのうえでの言葉だ。
「入るとしよう」
「お師匠様は毎日入っておられますな」
「風呂には」
「夏も冬も」
「それは欠かさないですな」
「決して」
「うむ、どうも風呂に入るとな」
そうすればというのだ。
「身体によい、そしてな」
「そのせいか、ですな」
「長生き出来ると」
「いつもそう言われていますな」
「うむ、しかも随分と気持ちがいい」
風呂に入ると、というのだ。
「だから贅沢とは思うが」
「風呂はですな」
「毎日入られますな」
「そうしておる、そして屁もじゃ」
天海はこちらのことも笑って話した。
「しておるぞ」
「そちらもですか」
「長生きによいのですか」
「風呂と共に」
「どうもな。まあとにかく学問と修行にじゃ」
それに加えてというのだ。
「風呂もな」
「その三つはですな」
「決して欠かさぬ」
「そうしていかれますな」
「そうする、毎日な」
この三つはというのだ。
「していくぞ」
「はい、それでは」
「我等もお供します」
「座禅に」
「そのうえで寝まする」
「そうしようぞ。一日の最後を座禅で終える」
天海は実に温和な笑みで言った、そこには世で言われている様な怪僧と長寿と学識だけでなく法力からも言われている姿は何処にもなかった。
「よいことじゃな」
「ですな、それでは」
「我等もです」
「そうさせて頂きます」
「その意気じゃ。日々な」
まさにというのだ。
「続けてこそであるぞ」
「確かな僧になれますな」
「僧正様の様に」
「わしなぞまだまだじゃがな」
天海は自分を目指しているという言葉にはこう返した。
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