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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
最終章 蛇王再殺
第三十八話 宝剣降臨
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」
その言葉と同時に鋼の刃が儂の背中を深く切り裂いた。馬鹿な!儂のこの体は人の世の剣では傷一つ付けられないはず!
振り向いた儂の目に入ったのは、尋常でない輝きを放つ四振りの剣を携えた異国人どもだった。中でも一際ただならぬ気配を放つ長剣を正眼に構えたラジェンドラ王子が不敵に嗤う。
「なあ、尊師。人の世ならざる剣がルクナバードのみだと、どうして思ったんだ?」
幾度も刃が振り翳され、儂の体を断ち、穿ち、切り裂いた。いつの間にか儂はルクナバードを手離していた。
そして、儂はアルスラーンがルクナバードを鞘から抜き放ち、儂の頭上に振り下ろすのを見ー。
◇◇
シンドゥラ王室の宝物庫には幾振りもの伝説の剣が眠っている。ルクナバードの様な生ける伝説ではなく、もはや終わった伝説だ。倒すべきものは全て倒し、役割を果たし終え、今はただ事績を伝えるのみの遺物でしかない。ただ、それでも秘められた力は人の世を逸脱しており、尊師のちっぽけな自負を切り裂くに余りあった訳だ。
さて、あとはラスボスの蛇王ザッハークを倒すのみか。
そのとき、大地が大きく揺れた。最初は上下に、次いで左右に。そして、地面が大きく裂け、何かが勢いよく飛び上がってきた。泥のような色合いの男性の人影の様に見えた。ただその両肩には蛇が生えていた。
「ざ、ザッハーク!?」
その声が自分の声なのか、他の誰かの声なのかすら、直ちには判らなかった。だが、次の瞬間更に呆気に取られた。その人影が一瞬にして崩れ落ち、崩れた泥の塊に変わったのだ。そして、間髪入れずに陵墓の土が跳ね上がり、何かの金属片が舞い上がって落ちた。いや、金属片ではない。棺桶の蓋だ。それが地響きを立てて地面に落ちるのと同時に、俺たちの前に舞い降りた者がいた。黄金色の壮麗な甲冑を纏ったその男には両肩から蛇が鎌首を上げていた。
「ふははははは、遂に入ることが出来たぞ!この体、ずっと狙っていたのだ。ルクナバードと体に死後も残った魂がそれを阻んでいたが、魂がルクナバードと一体化したことで空になったこの体にようやく入ることが出来たわ!カイ・ホスローの体にこのザッハークの魂、これでもはや予に死角は無い!」
あれ?原作だとアンドラゴラスの体にザッハークの魂だったのに、更にろくでもなくなってないか?
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