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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
最終章 蛇王再殺
第三十八話 宝剣降臨
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道のりを、昔は王が即位する度に大将軍や諸国の王は乗り越えてここに辿り着いていたのかねぇ、実にご苦労なことだ」
ギーヴが呆れたように漏らす。
「だから、何代かたつと諸国は名代を出すだけで王自身は行かなくなったそうだぞ?オスロエス王の代から儀式が行われなくなって、むしろ快哉を叫んだ王の方が多いかもしれん。さて、アルスラーン殿、口上は何でもいい。とにかく、誠意を込めてルクナバードを呼んでくれ」
「了解しました、ラジェンドラ殿。皆は少し下がっていてくれ」
「よし、俺もつきあうぞ、アルスラーン殿」
「ラジェンドラ殿?」
「ルクナバードには俺にも言いたいことや言うべきことがあるからな。口を噤んでは居られなくてな」
「判りました。兄とも思える貴方が一緒で心強いです、ラジェンドラ殿」
「俺も弟の様に大切に思って居るさ。行こう、アルスラーン殿」
俺たちは陵墓の前に立ち、ルクナバードに語りかけた。
◇◇
「ルクナバード、宝剣ルクナバードよ・・・・・・!」
滝のような雨の中、私アルスラーンは目に映らぬ存在に呼びかけた。
「お主の身に、英雄王カイ・ホスローの御霊が本当に宿っているなら。そして、私の為そうとしていることが、英雄王の御心に適うのなら、私の手に来てくれ!」
「俺からも、戴冠式はまだだがやがてマルヤム王となる俺、ラジェンドラからも頼む。この弟のように思える少年に御身を委ねていただけないだろうか?」
その答は、更に猛烈な風雨だった。思わずよろめくが、ラジェンドラ殿が私を支えてくれた。怯むわけにはいかない。
「非才非力のこの身にはパルスの玉座も宝剣たる御身も重過ぎるのかもしれない。だが、私は誓ったのだ。この国を、全ての神への信仰を認め、開かれた国にすると。奴隷を解放し、社会的不公正を解消することを。近隣諸国と友好関係を結び、争いが避けられるよう誠意を尽くして語り合うことを。臣民に、そして、愛する者にそれを誓った。だから、重過ぎる荷だと投げ出すことは決してない!」
「そのような国を、平和な世界を作るのはこの少年だけでは難しいとお主は思うのかもしれない。だが、この少年は一人ではない。運命を共にすると誓った伴侶が、忠誠を誓う臣下が、この少年を慕う多くの民がいる。俺も、俺の臣下たちも微力ながら協力する。力の限り支える。間違ったときには殴ってでも止める。それを俺の魂に賭けて誓う」
雷霆が私たちの足下すぐ近くを穿った。だが、私たちは揺らがぬ、退かぬ、諦めぬ。
「私は蛇王ザッハークを倒し、人ならざる存在が、人の尊厳を奪い、その命を塵芥のごとく踏みにじる残酷な世界を終わらせたい。そして、人が自分の力で立ち、滅ぶも栄えるも自らの意志で選び取れる世界を作りたい。その為、最後に今回だけ、
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