06神器、鉄の伝来
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避けたかった一同。
まだ情報も行き渡っておらず、出雲の神々が惨たらしい最期を遂げていた現実や、大社まで焼かれ、神像がゴミとして投げ出されているのが伝聞で伝わったとしても、信じる者の方が少なかった。
第二次大戦レベルで通信網、電信網も行きわたり、新しいメディアであるラジオが街頭で鳴り始め、新聞記事も信用できるメディアとして扱われ始めても、大日本帝国の降伏を信用しなかった人物は多数いた。
玉音放送を理解しなかった者も、最後の出撃を行った者、放送自体を差し止めてクーデターを起こし、天皇を松代から誘拐して臨時政府を開こうとした者までいた。
南米やハワイでは「勝ち組」と呼ばれる連中が、降伏を認めた日系人と争いになり、希望的観測によって、妄想から「日本は勝った、負けてなどいない」と言い出して、殺人事件が多数起こるほどの混乱があった。
曰く、「今まで信奉して来た神(天皇)が負けるはずがない、必ず神風が吹いて、米軍の船を全部沈める」と考えた。蒙古襲来からヒントを得た宗教的狂信である。
人間とは、理解したくない情報を耳に入れられると全力で拒否する。
チェルノブイリの原発事故を報告されても、共産党員と役人の第一声の殆どが「それは嘘だ、嘘に決まってる、間違いだ、君の勘違いだ!」で塗り固められた。
放射線計を見せても、共産党幹部が「360シーベルトなのだから規定値以下で、これは原子力事故ではない」と言い切った。
メーターの最大計測値が360だったので、それ以上は必ず人が死ぬ数値なので目盛りも数値も無かったが、その程度が人間が受け止められる情報の許容限度である。
鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、SARS、どれも通報があった瞬間に役人の脳機能はシャットダウンされ、「日本でそのような感染は有り得ません、水際で阻止されています!」と大声で叫び始め、どんな事象を聞かされても「アーアーアー聞こえない」になるが、赤外線監視で熱を持った人物を「止めようと」しただけで、一切阻止されていない。
豚インフルエンザも、発祥地のメキシコだけで猛威を振るい、フェイクニュースだったのか、「医療関係者が多数感染して死亡、治療に当たる人物が逃げてしまって、死体が積み上がっている」と報道された。
それでも普通のインフルエンザと交雑してしまい、一瞬で無毒化されて、平年の死亡者数、老人と子供だけの被害に戻った。
SARSは古来からの疾病で、ハクビシンやイタチ化の生物を自然宿主として、宿主を殺さない共生体として、日本人、帝国陸軍が支配していた地域住民は、耐性が付いていて死亡に至る例は少ないとも言われた。
現に「スーパースプレッダ」と呼ばれる、感染しても一切発症せず熱も出さず、表を平気で出歩いて細菌を撒き散らす人物も多数出た。
アメ
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