06神器、鉄の伝来
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ピンの子供まで、日本製のアニメに屈服して、「ボルテスV(ファイブ)」が放送される時間には町中から子供の姿が消え、日本語の主題歌を子供全員が歌い始める大事件も起きた。
ボルテスVは即座に放送中止され、最終回まで見られなかった子供達が、ボルテスロス症候群になった。
ベトナムでも中国でもドラえもんの発禁が計画されたが、孫に泣いて縋られて、小さい手でポカポカ殴られ精神破壊。改革開放政策や南順講話に逆行する言論封殺は行われなかった、らしい。
紀元前、冬守
「未来に行った我が分身で同一存在、シヨウから念話が入った。朝廷の奴らは加賀の国よりやってくる!」
またも天啓を受けて、住民の前で神の言葉を告げる四葉様。
「おおっ、シヨウから?」
「奴らはここ冬守を通過せぬっ! 奴らは加賀から即座に諏訪に行って、出雲の神々を根絶やしにしようとしているっ、周囲の集落にも通知せよっ!」
「仰せつかりましたっ、直ちにっ!」
「大和の奴らは冬守には来ぬのかっ、やったぞっ」
今日も俺TUEEE状態の四葉様。未来の知識と神憑りによるシャーマニズムで天下を取っていた。
「鉄が無いのだな? 川に行って砂鉄を集めてこい、磁石を集め、無ければ山の上のご神体、隕鉄を降ろしてくるのだ」
仏像か地蔵を彫ってある隕石と違い、磁化されている隕鉄の方を降ろして来るよう言い付けた四葉様。
冬守に落ちたのも、鬼界カルデラからの噴石かも知れないが、あれだけのクレーターを形成するに至るには、大気圏を突破した物の第一宇宙速度を超えられない、つまり地球の引力すら脱出できずに引き戻され、再降下したような低エネルギー量では不可能である。
地球の重力加速度をはるかに超えて、第一宇宙速度も超え、光速の数パーセントで宇宙を移動してきた物体、それも大気圏で破壊も粉砕もできない、着地時にエネルギーの全てを放出して溶けて大半が蒸散する隕石でもなく、御神体は隕鉄である必要がある。
A1以上の恒星が爆発前に鉄原子になるまで核融合反応を終了、それ以上核融合ができなくなって自重で重力崩壊して、超新星爆発によって鉄のコアが放出され、さらに重い原子が核反応によって生成され、天文学的な確率で地球に到達し、分解蒸散しなかった残存物体、それが御神体。
「出雲の神が高天原の奴らに降伏などありえぬっ、戦えっ、者どもっ!」
「「「「「「「「「「応っ!!」」」」」」」」」」
しかし邪馬台国は出雲攻略に成功して、次の足掛かりとなる京都方面も宗主を失い無血開城。
近畿圏の阪神間、奈良方面、大和まで政略的な婚姻関係などで地ならしを終え、簒奪や自分たちの血族を皇子に建てるのも時間の問題。
滋賀、加賀など物の数ではなく、使者と手紙だけで震えあがって降伏。出雲の神々のように「海に返された」末路だけは
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