第一章
[2]次話
性格美人
持田千香子の外見は顔立ちはともかくそのスタイルを見て世の外見だけで女性を判断している男達からは避けられていた。
「ああ、駄目だ駄目だ」
「アウトだよ」
「デブじゃないか」
「服装もださいしな」
「ああした女はどうでもいいな」
そうした男達はこう言うか心の中で思って千香子を即座にスルー対象にした、それで千香子は自然とそうした男達とは縁がなかった。
だが彼女がアルバイトをしているところで一緒に働いている男達は誰もが確かな声で言い切っていた。
「あんないい娘はいないよ」
「しっかりしていてな」
「素朴で優しくて穏やかで」
「今時あんな娘がいるなんてな」
「うちに来てくれてよかったよ」
そこにいる男達で彼女を嫌う者はいなかった、仕事がしっかりしているだけでなくむしろそれ以上にその性格が好評だった。
それは女子特に小さい女の子達からは尚更であまりにも人気があってしかも勉学もスポーツも実は能力が高くてだ。
多少嫉妬を買ってもいた、だがその嫉妬もだ。
千香子本人に会うとその和やかな雰囲気と優しい性格にほぐされてそれでだった。ついつい彼女に笑顔を向けてしまっていた。
そんな中でだ、ある友達が他の友人達に言った。
「あの娘って男の子からはもてないのよね」
「ええ、あの外見だとね」
「ちょっと男の子受けはしないわね」
「本人もそんなこと言ってるけれど」
「どうしてもね」
「もてはしないわね」
「そうよね、本人は恋愛に興味あるけれど」
実際にそうなのだ、千香子も年頃の女の子で恋愛自体には興味があるのだ。だがそれでもその外見故になのだ。
やはりそういう手の男にはもてない、それは千香子が誘われて出た合コンでも同じことでだ。
彼女に声をかける軽い感じの男はいなかった、誰もが周りの如何にももてるというスタイルや顔立ち、ファッションの娘達に声をかけてその場だけでもそれから暫くでもカップルになっていた。だが千香子はだった。
相手が出来ない、それでだった。
千香子自身もだ、困った顔で言っていた。
「彼氏欲しいのよ」
「そうよね」
「もち子自身もそう思ってるわよね」
千香子の仇名で呼ぶ子もいた。
「私達も欲しいって思ってるしね」
「いない娘は」
「やっぱりこのスタイルのせいかしら」
自分でもこう思っていて言うのだった、顔にもそうした感情が出ている。
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