最終章:夢を追い続けて
第76話「エピローグ」
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いなかった”のだろう。
桜さんはともかく、束さんはずっと“理解されなかった”のだから。
だから周りを遠ざけて、“孤独”だったんだ。
もし桜さんが重傷を負ってあの時まで眠ったままでいなければこうならなかった。
束さんには桜さんがいれば、いずれはこうなっていたのだろう。
「……って、いけね」
随分と過去を思い返すのに時間をかけていたらしい。
腕時計を見てみれば、結構時間が過ぎていた。
「(やるべき事、やらないといけない事がひと段落ついたから、俺も気が抜けてるんだろうな)」
しっかりしないと。
いくら山場を越えたとはいえ、普通に仕事とかはあるんだから。
「……ま、休憩も終わった所だし、戻りますか」
そう言って、俺は一度“青い星”を見上げてから踵を返した。
「ええっ!?桜さん、遅れるんですか!?」
【悪いっ!ちょっと没頭しすぎて時間を見てなかった!】
「いくら好きな事をやってるからって、限度がありますよ……」
仕事にひと段落をつけ、桜さんと連絡を取ると、そんな言葉が返ってきた。
いくら宇宙開拓を進める事だからって、時間を忘れるとは……。
「というか、桜さんらしくありませんね?」
【いやぁ、こと宇宙とISに関する事だったら俺でもこうなるぞ?】
「そういうものですかねぇ……」
まぁ、遅れるのが確定してしまうのはしょうがいないだろう。
「でも、主役が遅れるのはどうかと……」
桜さんが遅れると言っているのは、桜さんの誕生日パーティーだ。
だからこそ、主役である桜さんが遅れるっていうのは、ちょっとな……。
【だからこうして事前に連絡してるじゃないか。それに、遅れるにしてもできるだけ早く帰るさ。……問題は、束と千冬、ユーリちゃんにどう連絡しようか……】
「そこは自分で考えてください」
拗ねるであろう三人にどう連絡しようか悩んでいる桜さん。
あと、セシリア辺りも拗ねると思うんだが、どうするつもりなのやら。
「じゃあ、俺は先に地球に帰っておきますね?」
【ああ。出来れば三人に何かしらフォローを―――】
「自力でやってください」
有無を言わさず通信を切る。
そして、“青い星”……地球を見上げて俺は帰る準備を始めた。
「数年前までは、まだ理論上の話だったのに、本当に早いな……」
そう。俺は今、“月”にいる。
宇宙開発が進み、本格的な月面基地が設置されたのだ。
今では、月で一年は過ごせるぐらいに発展している。
「(……まぁ、まだまだだ。もっと……もっと、ISは羽ばたける)」
それこそ、“無限の成層圏”の名に恥じな
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