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ドリトル先生と奇麗な薔薇園
第十幕その六
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「ひょっとしてだよ」
「死んでいました?」
「結核以外のことで」
 トミーも王子も先生に尋ねました。
「オスカルさん結核だったけれど」
「当時は助からない病気だったですし」
「それより前にね。ジャコバン派に目をつけられるか動乱の中で戦死するか」
 そうなってというのです。
「あんな奇麗に死ねなかったかもね」
「王様や王妃様みたいにギロチンに送られたり」
「そうしたことも」
「あったかもね、そして嫌なものを沢山見たと思うよ」
 あのまま生きていてもというのです。
「あの革命は血生臭くて人間の嫌な面もかなり出ていたからね」
「百万人も死んでたらね」
「やっぱりそうよね」
「血生臭いよ」
「人間の嫌な面かなり出た筈よ」
「そう、かなり暴力的だったんだ」
 先生は動物の皆にフランス革命の真実をお話しました。
「だってバスチーユだって襲撃だよね」
「話し合いじゃなくてね」
「もう監獄に雪崩れ込んだんだよね」
「それじゃあね」
「かなり暴力的じゃない」
「どう見ても」
「ギロチンで人をどんどん処刑していったしね」
 このことについても言う先生でした。
「それもあってもない様な裁判の後すぐにね」
「酷いね」
「全然いいものじゃないじゃない」
「その中に無実の人いたよ」
「というか王様や王妃様も死刑になる様なことした?」
「してないよね」
「してないわよ」
「そう、革命に反対したとみなされたらね」
 もうそれでだったというのです。
「死刑だったからね」
「ギロチン台送りね」
「人を殺したりとかしていなくても」
「もうそれが最大の罪で」
「容赦なくだったの」
「そう、清教徒革命もクロムウェルが絶対の正義になっていったけれど」
 革命が進む中でというのです、先生はこの清教徒革命についても残念そうな悲しそうなお顔でお話します。
「あの時よりも酷かったんだ」
「じゃあ全然よくないじゃない」
「革命に反対するって思われただけで死刑とか」
「滅茶苦茶じゃない」
「どうかしてるわよ」
「だからオスカルさんもね」
 この人もというのです。
「この世でそうしたものを見なくて済んだから」
「よかったかも知れないんだ」
「バスチーユで死ねて」
「それも奇麗に」
「革命には賛成していても」
 それでもというのです。
「オスカルさんはそんなことで人を殺めるかな」
「革命に反対しているってだけで」
「自分と考えが違うだけで」
「そんなことをする人か」
「作品を読んでいる限り違うから」
 決してと言う先生でした。
「高潔で器も備えていたからね」
「心も広くて」
「だから民衆の人達のことも考えられる様になった」
「そうした人だったわよね」
「確かにそうだね」
「そう、啓蒙
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