第二章
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「その兵器が実体化して使える様になるから」
「ではですね」
「早速ですね」
「カタログを読んで頂いて」
「描いて頂けますね」
「どんな兵器もどんどん描くよ」
にこりとした笑みでだ、ピクトリアは大臣と軍人達に答えた。そうして今世界で最新鋭と言われている戦車や航空機、軍艦のカタログを読んでだ。
これはという兵器をモデルにしてどんどん描いていった、戦車も戦闘機も軍艦もだ。
気付けばピクトリアは国を守るに充分な兵器を描いていた、大臣達はこのことに喜んだ。
実際に乗ってみて使ってみると性能もかなりのもので整備性も安全性もしっかりしている。これで国の安全は守られると確信した。
しかしだ、大臣はピクトリアに残念そうにこうも言った。
「あの、描いて頂いたことは感謝していますが」
「どうしたの?」
「あの、兵器ですから」
言いにくそうだがそれでも言うといった感じだった。
「それで」
「兵器だからなの」
「あの、姫様の好みは存じています」
それはというのだ。
「我々も。ですが」
「あっ、戦車とかによね」
「フリルやレースを付けて」
丁度ピクトリア達の横に戦車があった、確かに最新鋭の戦車だが。
あちこちにフリルやレースが付いていてカラーリングはピンクだ、可愛いキャラクターの絵も描かれている。
それは戦車だけでなく他の兵器もだ、それで大臣は言うのだった。
「ピンクで可愛いキャラクターを描かれていることは」
「駄目なの?」
「何と申しましょうか」
難しい顔での返答だった。
「兵器にそれは」
「性能は確かだよ」
「それは存じていますが」
それでもというのだ。
「兵器にフリル等は」
「駄目なの」
「女の子のお部屋にあるものではないので」
「いいと思うのに」
「宜しければ」
大臣はピクトリアに言いにくそうなままさらに言った。
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