第一章
[2]次話
ピンクの戦車
ピクトリア=パレットはその手に持っている魔法の筆で無機質のものなら何でも実態か出来る力を持っている、その力で自分の国を助けているお姫様だ。
そのピクトリアのところにだ、国防大臣が困った顔で将軍や提督達と共に王宮でこんなことを言ってきた。
「兵器が古くなっています」
「戦車も戦闘機も軍艦もです」
「軍人はいるのですが」
「兵器がどうしようもなく旧式化していて」
「このままでは何かあれば」
「他の国が攻めてきたりモンスターが暴れれば」
そうなった時はというのだ。
「どうすればいいのか」
「魔法使いだけで国は守れません」
「やはり兵器も必要です」
「ですがその兵器が」
「今我が国お金ないのよね」
ピクトリアは大臣達のこのことから話した。
「災害が続けて起こってね」
「はい、そのせいで」
「そのせいで、ですね」
「災害救助と復興にお金を使って」
「国全体が被害を受けました」
「国民も困っていましたし」
「我々も災害救助に奔走しました」
災害救助には軍隊だ、その多くの人手と技術に物資を迅速かつ的確に運べて届けられる能力に組織力はこうした時には欠かせない。
「そしてそのせいで」
「今は国庫に余裕がないですね」
「ですから兵器については」
「予算が回らないですね」
「教育費と社会福祉費は減らせないし」
このことはピクトリアの父である国王と母である王妃も言っている、勿論首相をはじめとした主な大臣達も議会もだ。
「それで軍事費は減らして」
「兵器まではです」
「回らなくなっていまして」
「今年度の予算で兵器を一新する予定でしたが」
「その分を災害救助と復興に回しています」
「ですから」
兵器が旧式なままだというのだ、そしてそのせいでだ。
「国防に不安があります」
「それで姫様にお願いがあります」
「魔法の筆で兵器を出して下さい」
「最新型の兵器を」
「わかったわ」
ピクトリアは大臣や軍人達に笑顔で答えた。
「じゃあまずは最新の兵器のカタログ読んでね」
「そうしてですね」
「兵器を描いてくれますね」
「そうしてくれますね」
「どんどん描くから、描けばね」
それでというのだ。
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