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逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 6
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。正確には、聖天女様の結界で、器と意識を分離させてるんだよ」
「眠ってるのと何が違うの?」
「自発的に覚醒できるかできないか、とかかなぁ?」

 興味半分、嫌悪半分といった様子で集まってきた精霊達が、横たわってるアーさんを取り囲んで、言葉を交わし合う。
 あまり大声で話さないでねって言われてるから、皆それなりに潜めてる。
 ちなみに聖天女様は、教会を空けて万が一問題が起きたら困るからって、私とアーさんを置いて早々に引き返してしまった。

 昨日、聖天女様が仰っていた『ちょっとした恩返し』って、花園で一時間眠らせてあげることだったのね。
 確かに、結界で意識を閉じ込めてしまえば妙に音を気にするアーさんでも落ち着いて眠れるかも知れない。
 器が音を拾っても、認識する思考は働かないから。
 人間の世界には、草花の香りで緊張を解す医療があるとかなんとかって、王都で聴いたし……アーさん本体を花園に連れてきたのも、身体に蓄積した疲労を少しでも和らげる為?
 
「これが、リースリンデを人間の世界に引き留めてる人間なの?」
「どこにでもありそうな器ね」
「リオ、リーフ」

 アーさんの寝顔を覗き込んでたら。
 リオルカーンとリーフエランが横並びで、私の傍に恐々と飛んできた。
 やっぱり、ふたり共アーさんに好意的な姿勢は見せない。

 当然だよね。
 アーさんは人間だもん。
 精霊族が、人間なんかに好感を持てる筈……

「でも、似てる」
「え?」

 アーさんの正面に回って顔を覗き込んだリーフが。
 数回瞬きをして、首を傾げた。

「具体的にどこがとは言えないけど、クロスツェルに似てるよね? これ」
「…………そうね。言われてみたら、そうかも」

 リーフに促されてアーさんの目元を覗き込んだリオも。
 少しの間を置いて、浅く頷く。

「クロスに似てる? アーさんが?」
「「うん。似てる」」

 ふたりの後を追って、アーさんを正面から覗いてみる。
 アーさんはどこからどう見ても人間そのものだし。
 アリア様達に護られてるクロスとは、全然違うと思うんだけど……

「クロスに、似てる?」

 聖天女様が結界を解かない限り、決して開かない目蓋。
 その奥に隠れた金色の虹彩を思い浮かべた途端。
 キラキラ光るクロスの瞳と面影が重なった。

 優しく微笑む、星明かりみたいに綺麗な人。

「……そう、か。そうだったんだ。アーさんがクロスに似てたから、私は」

『リーフエランとリオルカーンが解決してくれるわ』

 聖天女様が仰った通りだ。
 クロスを知ってるふたりが、私に教えてくれた。

「ふふっ! ありがとう、リオ! リーフ! ようやくすっきりしたわ!」
「え?」
「な
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