純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 6
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
今頃はきっとベッドの上でゴロゴロしてる、あのゴールデンドラゴン。
少しは聖天女様に感謝して、自分から手伝う姿勢を見せれば良いのに。
今回もまた、お礼も言わずに平然とがぶ飲みするんだろうな。
あの聡明なバルハンベルシュティトナバール様の記憶を受け継いでるとは到底思えないふてぶてしさよね、まったく。
手伝いたくても(物理的に)手伝えない私の身にもなってほしいわ。
いえ、まあ……そんなに聖天女様の負担が気にかかるのなら、私だけでも泉に留まれば良いんじゃない? って話なんだけど……
けど…………
「うぅーんん──……っ にゅわあああっ!」
「?? ど、どうしたの?」
「ふぁ?? あ、すみません、つい」
突然頭を抱えてジタバタし始めた私に驚いた聖天女様が、薄い水色の目をまん丸にして、私の顔を心配そうに覗き込んだ。
聖天女様の顔を叩いたり蹴ったりしないよう、慌てて座り直す。
「何か悩んでる?」
「いえ、その」
「泉を避けていることと、関係があるのかしら?」
「うっ」
「……私では、相談相手にもならない?」
「っそ! そんな言い方は……ずるい、ですっ」
「ふふ、ごめんなさい」
お節介な性分なのね、私。
と、口元で苦笑しながらも、それ以上の言葉を重ねようとはしない。
ただ、どこへも移動せずに、私の頭を撫で続ける。
ずっと、撫で続ける。
延々と、撫で続ける。
黙々と、撫で続ける。
ひたすら、撫で続ける。
「…………分かりました。話します。お話しますからもうやめてください。気持ち良すぎて眠ってしまいそうです」
「まあ。私の肩で眠ったら、転げ落ちてしまうわよ?」
「わざとですよね。狙ってやってますよね」
聖天女様に撫でられるのが好きな精霊は、結構多くて。
撫でられてる間にうっかり眠ってしまう事例も少なくない。
撫でている張本人に、それを知らないとは言わせませんよ。
「知ってる? 深い眠りには心身の癒しや成長促進に近い効果があるのよ」
「私の場合は、全身打撲で昏倒とかになりそうです」
「そうなる前に支えてあげるから大丈夫よ」
「嬉しすぎて涙が出そうなお申し出ですが、別の機会にお願いします」
「支えること自体は断らないのね?」
「聖天女様の手は気持ち良いので」
「存外真面目に切り返されて、内心ちょっと照れています」
「そんなところもお可愛らしいと思います」
「ありがとう。褒め殺して話を逸らそうとしても聞き耳は立ててるからね」
「本心ですよ」
「……………………。」
聖天女様の目が右へ左へ忙しく泳ぎ、頬と耳が見る見る赤くなっていく。
勝った。
とはいえ、話しますと自分で言ったのだから、ちゃんと説明はする
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ