Lv64 戦いの勝者
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魔法の回路図のようなモノが、眼前に広がっているからである。
(そうか……わかってきたぞ、魔生の法の秘密が……そういうことだったのか……。魔生の法とは、魔力を生み出す霊体を精霊界とリンクさせる秘法なんだ。言うなれば、術者自身が一時的に精霊に近づく秘法。そして更に、この魔法発動式を用いれば、呪文を唱えずとも、魔法を発動させられるに違いない。だから、発動に必要なキーコードとなる呪文詠唱が必要ないんだ。う〜ん……なんたるチート技能……ン?)
と、その時、どこからともなく、俺を呼ぶ声が、小さく聞こえてきたのである。
その声は、こう言っていた。
―― 「コータローさんッ、目を覚まして! ……お願いですから、目を覚ましてくださいッ!」 ――
この声がはっきりと聞き取れた次の瞬間、俺の目の前は眩い光で埋め尽くされた。
そして、俺は物質界へと呼び戻されたのである。
[U]
これは、コータローがアシュレイアに止めを刺された後の話――
【今、楽にしてやろう。永遠の眠りにつくがよいッ……メラゾーマ!】
アシュレイアの放つメラゾーマの炎に焼かれながら、コータローはラーの鏡の付近にまで吹っ飛ばされ、そこに横たわった。
程なくして、炎は役目を終えたかのように消えてゆく。焼け焦げたコータローの哀れな姿を残して……。
コータローは身動きしなかった。
アーシャはそれを見るや否や、横たわるコータローに慌てて駆け寄った。
「コータローさんッ! コータローさんッ! しっかりしてくださいッ! 死んじゃ駄目ですわよッ! 今、回復しますわッ!」
アーシャは祝福の杖をコータローに掲げ、魔力を込めた。
だがしかし……無情にも杖は、何の反応も示さなかったのである。
「な、なぜ、回復しないですの……も、もう一度」
そこでサナも傍へと駆け寄ってきた。
「私もお手伝いします、ベホイミ!」
しかし、結果は同じであった。
2人の回復魔法を受けても、コータローに変化は一向に現れないのだ。
「なぜですの……なぜ」
「コータローさぁん……」
アーシャとサナは、ガクリと肩を落とす。
と、そこで、2人に語り掛ける者がいた。
「残念だが、ホイミやベホイミのような回復手段ではもう無理だ。今のコータローは、ほぼ死んでいる状態……肉体から魂が離れつつあるこの状況では、そんな魔法では効果はない」
2人はその声に振り向く。
すると、声の主はラーの鏡であった。
サナは目を見開き、驚きの声を上げる。
「か、鏡が喋った……」
アーシャの瞳が潤む。
「そんな……では……も、もう助からないんですの、ラー様……」
「いや、方法はある。アーシャよ、コータローの道具袋の中から、急いで世界樹の葉を取り出すのだ。今なら
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