第二章
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「宜しくお願いします」
「それでは」
許嫁は自分がエスコートをしてそうしてだった、美術館でゴッホの絵を観てそのうえで広東料理、本格的な贅沢なそれを楽しんだ。お金は全て許嫁が出してくれた。
その彼にだ、別れ際にこう言われた。
「また」
「はい、またお会いしましょう」
「そうしましょう、次は」
許嫁はひよりに優しい笑顔のまま彼女に尋ねた。
「何処がいいですか」
「次に二人で行く場所ですね」
「何処が宜しいですか」
「では」
少し考えた後でだ、ひよりは許嫁に答えた。
「映画はどうでしょうか」
「映画ですか」
「そして食べるお店は和食と和菓子のある」
ひよりの大好物である、家でもよく食べている。
「そうしたお店が」
「では料亭にしましょう」
「そちらにしてくれますか」
「お店の予約もしておきます。映画も調べておきます」
「そうしてくれますか」
「どういった映画が宜しいでしょうか」
「邦画で時代劇のものがあれば」
最近気に入っているジャンルである。
「観たいです」
「そうですか、それでは」
「はい、今度はですね」
「映画館と料亭を楽しみましょう」
「わかりました」
「ではお家までお送りします」
許嫁も代々の良家だ、今はある国立大学で准教授を務めている。教授になるのも早いと言われている。
その立場に相応しく知的で気品もある、それでひよりも彼と共にいるとそうした時間を過ごせて満足している。
だが彼に言えまで送ってもらって別れてだ、家に帰ってだった。
家の次期当主であり代々の暗殺者の中でも最高の暗殺者であり天才的な統率者と言われている義兄にだ、こう言われた。
「楽しかったかい?デートは」
「はい、ただ」
「それでもだね」
「結婚してもですね」
「そうだよ、当家のことはね」
「内緒ですね」
「他のことは言ってもいいけれど」
それでもとだ、義兄はひよりに言うのだった。
「このことだけはね」
「左様ですね」
「そのことはわかっておいてね」
「承知しております」
「こればかりは言えないよ」
自分の家の本当の仕事のことはというのだ。
「残念だけれどね」
「暗殺者であることは」
「例え殺めるのは外道だけであってもね」
「こうしたことは」
「言えないよ、では今度の仕事は」
「何でしょうか」
「あるNGOの代表だけれど」
この者はというと。
「子供達を保護しているという名目で」
「実はですね」
「その欲望を満たす道具にしているんだ。そしてスナップムービーを裏の世界で売り捌いて儲けているよ」
そうした輩だというのだ。
「父上と母上が依頼を受けた、頼むよ」
「わかりました、では」
「うん、頼むよ」
「仕事をしてきます」
こう言ってだ、ひ
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