巻ノ百四十九 最後の戦その十四
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「ここからじゃな」
「わしの牙を全て壊すとはな」
「並の者ではじゃな」
「あれで終わっておった」
そうだったというのだ。
「並の者ではな」
「そうか」
「だからわしはこの二つも出した」
分銅、それに外に半月状になっている鎌をというのだ。分銅と鎌はとてつもない太さの鎖でつながれている。
「貴殿がそうしてくると思ってな」
「そうか、ではな」
「この二つで闘う」
「そしてか」
「貴殿を倒せずともな」
「ここで止めるか」
「そうする」
こう清海に言うのだった。
「是非な」
「ならわしは通る」
「そうするか」
「そしてじゃ」
そのうえでというのだ。
「殿のお力になる」
「真田殿をそこまで思っておるか」
「無論、我等十勇士皆只の家臣ではない」
清海は土蜘蛛と激しい一騎打ちに入りつつ応えた、両者は凄まじい攻防を門の前ではじめてその中でやり取りをしていた。
「義兄弟でありな」
「しかもじゃな」
「友でもある」
だからだというのだ。
「だからじゃ」
「真田殿の為にか」
「最後の最後までじゃ」
まさにというのだ。
「闘いそしてな」
「わしに勝ってか」
「殿と合流する」
「そうか、ではな」
「ここはか」
「お主に勝つわ」
「そう出来る程わしは弱くないぞ」
「ならそれを見せてみよ」
二人で話してだ、そうしてだった。
両者の一騎打ちは本格的に激しいものになっていった、それは一歩も退かぬものであり百合二百合となっても続いていった。
巻ノ百四十九 完
2018・4・1
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