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真田十勇士
巻ノ百四十九 最後の戦その十三

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「それが、でありんすからな」
「ふん、これ位はな」
「かわせるでありんすか」
「わしならばな」
「そうでありんすか、わっちも本気でありんすが」
「それはわしも同じこと」
「死ぬ気で行くでありんすよ」
 こう言ってだ、その顔からこれまでの余裕仮面でもそれを着けていたそれを外してそれでだった。
 傀儡は己の人形達と共に向かった、そうして穴山の鉄砲に向かい穴山もそれを放った。
 一行は本丸の前に来た、だがその前に今度はだった。
 土蜘蛛がいた、彼は仁王立ちをしてそこにいた。左右には堀がありその先に門がありその門は開かれていてだ。
 狭間になっている場所にいた、そこから己の前に来た幸村達に言った。
「真田殿、退かれぬか」
「お主ならどうする」
 幸村はその土蜘蛛に問うた。
「こうした時は」
「そう言われると」
「ではな」
「致し方ない、それでは」
「戦うか」
「そうさせて頂く」
 これが土蜘蛛の返事だった。
「これより」
「ではな」
「ははは、それではです」
 清海が明るく笑って出て来た。
「ここは拙僧が引き受けます」
「今度はお主がか」
「はい」
 さにというのだ。
「そうして宜しいでしょうか」
「長曾我部殿、明石殿にか」
「我等が義兄弟達の様に」
「そうじゃな、ではな」
「はい、次は」
「お主に任せる」 
 清海にじかに言った言葉だ。
「よいな」
「それでは」
「はい、それでは」
「我等は先に向かう」
「その様に」
 こうしてだった、幸村はここでもだった。
 残った者達と共に先に進んだ、そして正解は巨大な錫杖、花和尚が使う様なそれを手にしてだった。
 土蜘蛛に向かった、土蜘蛛はその禍々しい八本の石の牙を術で出してだった。
 人の半分程の大きさの分銅と鎌を出してだ、清海に向かった。清海はまずは八本の牙が来たがその全てを錫杖で潰した。
 そうして土蜘蛛と一騎打ちに入ったがそこでだった、彼は言った。
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