巻ノ百四十九 最後の戦その十二
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「わしもじゃ」
「防ぐというのね」
「この程度の数なら全て見切れる」
音精の出す衝撃波もというのだ。
「このことを言っておく」
「そう、では私もね」
「わしの水術を全て見切ってか」
「そうして貴方を倒すわ」
「そうするか、ではその言葉お主に返そう」
こう言ってだ、そのうえでだった。
海野は音精との戦を続けた、そうして激しい攻防はお互いに一歩も譲らずそのまま続いていくのだった。
幸村達は家康がいる本丸まで近付いていたがここでもだった、今は櫓の上を進む彼等の前にまた一人出て来た。
今度は傀儡だった、傀儡は凄みのある女の笑みで幸村達の前に立っていた。
「わっちがお相手するでありんすよ」
「また十二神将か」
「そう、傀儡といいます」
傀儡はその笑みで以て幸村に応えた。
「覚えておられるでありんすか」
「大坂での戦で会ったな」
「はい、あの時はどうもでありんす」
傀儡は笑ったまま幸村に応えた。
「真田様もお元気そうで何より」
「この通りな」
「そしてでありんす」
「この度はじゃな」
「大坂での続きを」
戦、それのというのだ。
「そうしたいでありんすが」
「先に進みたいと言えばどうか」
「それでもでありんす」
あくまでこう言ってだ、そしてだった。
傀儡は自らの術を使おうとしてきた、しかしここで。
穴山が己の短筒から一発出して彼女が出した手裏剣を弾き返してだ、そのうえで幸村に対して言った。
「やっとそれがしに出番ですな」
「今度はお主がか」
「いや、今か今かと待っていましたが」
笑いつつ幸村に応えてだ、穴山は前に出てきた。
「遂にですな」
「そうか、ではじゃな」
「はい、ここはお任せを」
「わかった」
幸村はここでもこう応えた。
「ではな」
「殿は先に」
「そうさせてもらう」
こうしてだった、今度は穴山を足止め役に置いてだった。幸村は他の者達と共にさらに先に進んでいった。
穴山は短筒に鉄砲、そして炮烙も投げてそうし傀儡が操る人の大きさの人形達に彼女自身が出す手裏剣等にだ。
互角に闘っていた、傀儡はその銃撃をかわしてから笑って言った。
「まさに天下一の金の術でありんすな」
「誉めるのかい?生憎だがな」
「誉めてもでありんすな」
「当然のことだしな」
自分の鉄砲等火薬を使ったものの使い方、即ち金の術はというのだ。
「何も出ないぜ、出るのはな」
「銃弾でありんすな」
「おうよ、しかしわしの腕は百発百中だが」
「それはあっちには違うでありんすよ」
今度は人形を己の前に置いて盾にしてだ、傀儡は穴山が次から次に放った火縄銃の連射、火縄銃を幾つも出して風の様に動き次々と繰り出したそれを防いでいった。
「この通り」
「防ぎそしてか」
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