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雀鬼との勝負
第三章
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「あれはプロの目ですね」
「ギャンブルの、勝負師だよ」
「それでは」
「勝ち過ぎるだろうし」
「どんなゲームでも」
「ルーレットでもトランプでもね」
 そうしたギャンブルをしてもというのだ。
「強いよ、そしてね」
「麻雀もですね」
「して勝ち過ぎる様なら」
 その時はというのだ。
「頼むよ」
「一戦交えてきます」
 コレットの目も光った、彼もまたプロの目になった。
 そのうえで今はルーレット彼が最も得意なゲームに付いて働いていた、だがここで店の先輩の一人が言ってきた。
「東の島国から来たお客さんな」
「どうなったんですか?」
「麻雀のコーナーに行ったよ」
「麻雀のですか」
「それでとんでもない強さを見せているよ」
「そんなに強いんですか」
「誰も勝てない」
 そこまでの強さだとだ、先輩はコレットに話した。
「冗談抜きで鬼だ」
「そうですか、それじゃあ」
「ああ、オーナーが言ってる」
「僕はこれからそっちに行くんですね」
「俺はこっちに入るからな」
 ルーレットの方にというのだ。
「そのお客さん頼むな」
「わかりました」
 コレットは先輩に応えてそうしてだった。
 彼は麻雀のコーナーに行った、すると実際にその客は恐ろしい強さで勝っていた。それでその客の卓にだ。
 コレットは入り勝負をした、だが店で一番の雀豪である彼もだった。
 苦戦しそうして何とか勝ち過ぎと言っていいまでには勝たせない様にさせるだけで精一杯だった、その客はその勝ち過ぎないぎりぎりでだった。
 閉店時間に店を去った、そうして言うのだった。
「ここでも麻雀が出来るなんてよかったな」
 こう言ってその猫背で去るのだった、痩せた顔にある目はまるで地獄の鬼のそれだった。
 その彼が去ってからだ、オーナーはコレットに言った。
「あの男、どうやら」
「相当な強さでした」
「うん、プロ中のプロで特に」
「麻雀については」
「鬼だった様だね」
 文字通りのそれだったというのだ。
「君がかろうじて勝ち過ぎを止められた位だからね」
「すいません」
「謝る必要はないよ」 
 オーナーは笑ってそれはよしとした。
「あれは流石に相手が悪いよ」
「そうですか」
「そう、あまりにも強かったからね」
 オーナーから見てもそうだったからだ。
「それはいいよ」
「左様ですか」
「ただ、次にうちに来たら」
 その時はとだ、オーナーはコレットに意を決した目で告げた。
「今回よりはね」
「勝たせない様にしないと駄目ですね」
「だから君には今以上に」
「麻雀も強くなります」
「頼んだよ、では最後の掃除だ」
 店員達の間のそれをとだ、店長は言ってだった。
 彼自身も加わり店員全員での掃除に入った、コレットもその中にい
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