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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第三部 原作変容
序章 新朝始歌
第三十話 新朝始歌
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の知り合いのところに身を寄せているから知っているぞ。俺はアルスラーン王子の知り合いでラジェンドラと言う。こいつらは俺の配下と、その関係者?だ。ところでお主は何者だ?」

「何、知っているのか!や、失敬、俺はメルレイン。ゾット族の族長、ヘイルターシュの息子だ」

馬から下りて頭を下げ、話を詳しく聞かせて欲しいと言うので、俺は三人娘にメルレインの分の飯を用意してやるように言い、ラクシュの右隣に座らせてやることにした。さっきまでそこに座っていたタハミーネは少し機嫌を損ねたようだったが、ではラクシュの正面に座ればいいではないかと言うとむしろかえって喜んだ。メルレインはそんなタハミーネを一瞬見やりはしたものの、すぐにこちらに視線を戻し、話を促すように俺に無言で語りかけてきた。ひ弱すぎるほどおしとやかな女性が好みなはずのメルレインだが、今は妹のことでそれどころではないのか。或いは三十六歳のタハミーネは年齢的に対象外なのか。おっと、タハミーネが怖い目でこっちを見た。内心がダダ漏れだったか。とにかく事情を話してやることにした。

◇◇

俺、メルレインは妹のアルフリードが、親父の死後、アルスラーン王子のところに身を寄せていると聞き、顔をしかめずにいられなかった。独立不羈のゾット族の誇りをあいつは忘れたのかと問い詰めたい気分になった程だ。だが、正確にはアルスラーン王子と行動を共にしているというより、王子の部下のナルサスという男に惚れてついていってるらしい。ナルサスとはどんな男かと聞くと宮廷画家を志していると言う。そんななまっ白そうな男なんかに惚れたのかと思いながらもよくよく話を聞くと、剣を取っても強く、謀略にかけては三カ国連合軍を口先一つで追い返す?何だそれは?訳が判らん!妹の様子も気になるし、ここは俺もペシャワールに―

俺のすぐ隣のラクシュ殿の手にいきなり弓が出現していた。いや、弓弦が震えているところからすると弓を射た後なのか?いや、射る瞬間など俺は見ていないのだが、それとも見えなかった?

「ぐうっ!!」

ラクシュ殿の斜向かいに座っていた女性、確か、名前はフィトナと言うのだったか、の後ろに突然黒い影が現れ、その人影が左胸に矢を生やして胸を抑えていた。

即座に他の二人とともにフィトナが剣を抜いて首をはね、更に体をめった切りにした。更に死体には芸香の粉末をふりかけ、更には焚き火の火を移して燃やし始めた。

火に煽られて飛んできたその男が纏っていた衣の一部をラジェンドラ殿が手に取り、小さく嗤う。

「暗灰色の衣…。ザッハーク一味か」

「ざ、ザッハークだと!?」

あの蛇王ザッハークのことか!?

「メルレイン殿、俺やアルスラーン王子の周りにはこういう怪しい連中もつきまとっておってな。出来ればお主にも力を貸して欲しいのだ
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