第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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――――――――舞台は独立交易自由都市へ!
心の中でそう決め込んだ凱の次の行動は速かった。そして、軽やかだった。
「風影!!!」
一人の青年を羽ばたかせるための大気予圧が吹き荒れる。
再び勇者はアルサスを去った。
しかし、かつて異端審問の時に抱いていた『後ろめたさ』は全くない。
彼の地へ想いを、過去を巡らせて勇者は再び戻っていった。
そして――――凱の『銀の流星軍』の一時離脱を察知した一団も、同時期に行動を起こしていた。
【ブリューヌ・ネメタクム・中央都市ランス・フェリックス=ボレール闘技場】
主の帰還に盛大に応えるように巨大な門が開き、広間が出現して、万を超える兵士たちが整然と並ぶ。
留守を預かっていたグレアストが、冷然されど深々と礼をしながら出迎えた。
「お帰りなさいませ、テナルディエ閣下」
「ただの『視察』に随分と仰々しい出迎えだな、グレアスト卿」
カロン=アンティクル=グレアスト――元々はガヌロンの腹心であったが、今は主の命令でテナルディエ家へ『借用移籍』している、機甲部隊の総指揮官。
「はて、おかしいですな。ノア=カートライトはてっきり共に合流する予定と思っていましたが……」
フェリックスの懐刀とも呼べる青年の不在に、グレアストは訝しむ。
この両者の共通点に残虐こそあるものの、その質には大きな相違点がある。
拷問処刑を得意とするグレアストには冷徹の、殺傷にはなんの感情を持たないノアには無邪気の、その違いだろう。
油断ならぬ相手がいないことに、さしものグレアストも緊張の糸を緩める。
「ああ、あやつなら、ブリューヌ各地に散らばる『七戦鬼』の収集に向かわせた。」
「なんと――――それは!」
フェリックスの言葉を聞き、グレアストの、そして並み居る兵士たちの間にどよめきが走る。
七戦鬼――フェリックス直属の精鋭部隊。
近日実行される『電撃作戦』において、王家要人の無差別暗殺のために組織された者たち。
ムオジネル、アスヴァール、ザクスタン、ジスタート、そしてブリューヌの王政国家を標的として。
彼らが招集されるということは……すなわち!
「そうだ。奴らがここへ集いし時――『ブリューヌ・ジスタート転覆計画』開始だ!」
「お……おお!」
それは、ついに始まるだ。
「とうとう……その日が!」
我らが夢見た理想郷を描く日が。
「おおおおおおおおおおおおおお!!魔王様あぁぁ!!!」
「テナルディエ万歳!ガヌロン万歳!」
訪れる戦を前にし
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