第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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れたことは、結局根に持っていた。
対して、フェリックスはそんな二人達のやり取りに何の気にも留めず、ただじっくり、何かを考えこんでいた。
「――ノア、一つ頼みたいことがある」
「はいはい」
笑顔で快諾するノアに、魔王フェリックスは告げる。
「ブリューヌに散らばる七人の戦鬼をランスへ集結させるのだ」
「閣下――それはまさか……」
傍らにいる側近、スティードの緊張じみた声が迸る。
「力ずくでも、『勇者』の中に押しこめられている『王』の姿を引きずり出したくなった」
ニタリと、フェリックスの顔が兇気の笑顔に歪んだ。
――さあ、貴様に隠された設定を見せてもらうぞ。ガイ――
―――――◇◆◇―――――
暁光が朝日へと姿を変え、まばゆいスペクトムが大空を紺碧にシフトする。
さて、場所は打って変わってアルサス郊外の一画地――銀の流星軍の幕営へ。
最も被害が甚大なところへ銀の流星軍を呼び寄せ、村の修復作業へ当たらせていた。
もっとも、ヒトの心にまで被害が及んだアルサスの中央部、セレスタでは町の『復旧』こそできても、心の『再起』まではいくまい。
しばし、癒す時間が必要なのだ。お互いに。
指揮官の幕営へ主要人が集まり、軍議用の机上には各勢力圏を記した地図が置かれている。
その地図を見るや否や、皆は厳しい表情のままで見つめていた。
結局、凱やリムアリーシャ、フィグネリア達は不眠不休で、現状や今後の行動について協議していた。ブリューヌ着陣を果たした銀の流星軍にとって、ジスタートを背にするアルサスはまさに重要拠点だ。あの時、フィーネがいったように、再びテナルディエ達がアルサスを奪い返す可能性もある。防衛陣の構成や戦術の再考慮、物資の補給、他勢力の潜伏、協議項目など検討すればいくらでも出てくる。
「やはり、一番の課題は『機械文明』の戦力に対してどうやって戦うかだな」
「――ええ、私たちは何度も敗北を架せられました……そして、私たちをかばってエレンは……リュドミラ様は……ティグルヴルムド卿は……」
敗北以外の何者でもない――暗く、冷たい逃避行。その惨めな撤退戦がいかなるものか、リムの沈むような口調から聞いて取れる。
治水から始まるディナントの戦い以降、踏み入ること二回目の戦場。
飛び交う銃撃の火線を潜り抜け、地獄のようなブリューヌより、命からがら抜け出して。
あの時、凱がアリファールをもって駆けつけていなければ、ディナントの平原で骸と化していたのは間違いない。
一通り軍議にキリがつくと、申し訳なさそうに凱が口を開く。
「みんな、俺の勝手な都合ですまないが、戻ってくるまでの間――頼む」
そう――彼らリ
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