第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
[12/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ナルディエは察する。
かつてヴォジャノーイは、黒き弓を略奪する際にティッタを誘拐したことがあった。郊外まで出た矢先に凱と出くわし、銀閃殺法の餌食となった。
「落ち着けヴォジャノーイ。ホレーショーやノアが集まるまで待て……スティード、銀閃の勇者の動向は?」
ネメタクムへ到着するまでの間、フェリックスは早文を出し、スティードに凱の動向を監視するよう伝えていた。
「は!既にアルサスを出立し、遥か東の彼方へ向かったそうです。おそらく、ノアに折られたアリファールの代替えを求めているものかと――」
スティードからの報告を聞き、フェリックスは顎に手を当てて、しばし思考する。
「……となると、ガイは独立交易都市へ、刀鍛冶、エインズワーズの元へ向かう……か」
その一言を聞いて、ヴォジャノーイが敏感に反応した。
「エインズワーズと言えば、神を殺せる刀――神剣の刀鍛冶の二つ名を持つ、伝説の名刀匠じゃないか」
「流石ヴォジャノーイ殿、伝説や神話については右に出るものはいまい」
「いやいや、スティードの旦那、僕たち『魔物』の筋では神剣の刀鍛冶の名を知らないものはいないよ。むしろ、そういうのはドレカヴァクのほうが詳しいんじゃないかな?」
先のアルサスでの戦闘の際、フェリックスは凱のアリファールを一目見た程度だったが、それでもノアの神剣ヴェロニカを砕いたことも含め、破断したアリファールの『折り返し構造?本三枚』を目視したことから、『竜具』の作り手が神剣の刀鍛冶であることを見抜いた。
先ほどから黙っていたドレカヴァクは一人ほくそ笑む。
(竜具だけではない――抑止力の聖剣デュランダルもエクスカリバーも人間の手で造られたことを)
この地上にはない物質――はるか天空にそびえたつ、古代の人々が『宇宙』と呼ぶ城に蓄えられた『命の宝石』を使って竜具は造られた。
ブリューヌの神話や伝承では、かつて精霊の手かからシャルルへ譲渡されたことになっている。
しかし、事実は伝承とは違う。
そのことを知っているのは、この世界ではおそらくほんの一握りしかいないだろう。
今度はテナルディエが語り掛ける。
「とはいえ、勇者にとって剣は身体の一部も同然」
新たな剣を求めるにしても、鍛えなおすにしても、刀身を預けるならば、心を許した刀匠の元に辿り着くのが道理。
「しかし、『銃』もつくづく間抜けだね」
「ああ」
間髪なくヴォジャノーイが悪意を持って告げる。
中肉中背の彼が『銃』と呼ぶ際、凱に対して皮肉を聞かせて呼んでいる。
アリファールの主を『銀閃の主』や『剣』と呼んだり、ラヴィアスを『凍漣の主』と呼んだりしているのと同じように。
「閣下、それは一体どういうことですか?」
問
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ