第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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て、称えるかのように巻き起こるフェリックス・ガヌロンへの声。
「聞いたか!同志たちよ!ついに我らが『暁』を取り戻す戦いが訪れる!各自準備を怠るな!」
機を逃さず、グレアストが兵士たちに檄を飛ばす。
興奮はさらに高まり、やがてフェリックスの姿が見えなくなっても、彼らは声をあげ続けていた。
「聞いたか同志たちよ!―――か、グレアスト、貴様は少し演出過剰ではないのか?」
「一大勢力の参謀役はこれくらいがちょうどいいのです」
時代の闇に潜み、王政府の転覆をたくらむ革命軍――その結束を固めるには、単純な実行能力だけでは足りない。
フェリックスという『覇気』と、そして己が主であるガヌロンという『カリスマ』と、それによって高められる士気の高さこそが重要と、グレアストは考えていた。
「――――私が留守の間に頼んでおいた件はどうだ?」
「全て順調です。ああ、そうだそうだ!作戦決行にあたって、高性能の回転式機関銃が手に入ったのです。まだどこの国の軍隊も配備していない最新式でして、毎分の連射性能もさることながら、軽量化と射程距離拡大を可能とした一品です――東の武器商人が自信をもって進める一品だと……ぜひともテナルディエ閣下にもお目に入れていただきたく……」
それまで貴公子の仮面を被っていたグレアストの口調と表情が。熱を帯び始める。
「グレアスト。そのあたりの判断は貴様に一任する」
剣や槍をはじめとした白兵武器ならともかく、銃火器の目利きはグレアストのほうが遥かに適任。
フェリックスの『弱肉強食』や『テナルディエ家の威光』は、ただ単に財力と武力に偏ったものではない。
どんな方面でも、いかなる出自でも、能力のあるものは相応の地位と権限を与える。
徹底した実力主義をとることで、フェリックスはこの国家反逆軍の勢力を短期間で急成長させたのだ。
「いえ……だから……その……ぜひ閣下に見ていただきたく……」
「貴様に任せるといっただろう。それで十分だ」
貴公子の仮面をはがし、熱狂者の素面をさらけ出すグレアスト。それに対してテナルディエはうっとうしそうに引きはがす。少し寂し気な表情のグレアストがそこにあった。
「――ほんと、グレアストの旦那は『銃』となると途端に目の色を変えるんだから」
テナルディエの背後に、いつしか中肉中背の青年がいた。
魔王の影に潜み続けた魔物の姿。金喰い蛙とも呼ばれているヴォジャノーイが呆れた声をあげた。
「ヴォジャノーイか……早いな」
先ほどの通り、蛙の名にふさわしく、長い舌と異質なぬめぬめとした肌を持っている。
「そりゃあ、『勇者』を血祭にあげるって聞いたから、真っ先に飛んできたよ」
アルサスで敗北した屈辱を晴らしたいのだろうとテ
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