第25話『ゼノブレイドを求めて〜独立交易自由都市へ』
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れを運用する人間側の問題は、まったく解決されていなかった。結局のところ、彼らが実戦の場において運用可能となったのは、皮肉にもカロン=アンティクル=グレアストの存在だろう。
刀も機械も同じ『鉄』のはずなのに、目指す先は全く違う世界。
損耗率の操作を可能にする機械兵器という強い光は、瞬く間に民衆、軍人、官僚たちの目をくらませていった。
あらゆる価値が見失われていく時代なのだから、2000年代の現代においても、兵装においての刀の存在は、再び重要性を見出されることとなる。
気高く、崇高であれ。
刀の反りは気高く、刀の切先は崇高でなければならない。
機械の性能は効率よく、機械の外観は美的でなければならない。
もしかしたら、本質的には同じかもしれない――という可能性があった機械と刀。
機械が蹴散らし、刀が斬り捨てる未来だけでなく――
共生できる未来も。
争わずに済んだ未来も。
本当に……あったのだろうか?
いつの時代でも、ヒトは本質的に『迷う』ことを捨て去ることはできない。
鬼剣の使い手――ブレイドオーガ
……彼もまた見つけられたのだろうか?
世界を焼き尽くした大戦で、数多の殺陣を振りまいたその先に、『思い描いた未来』を、手にした刀で描けたのだろうか?
100年近くにもなる、その生涯の中で?
本当に切り開きたい未来は?
本当に描きたい明日は?
数多の骸で築き上げた牙城の王は、その世界で何を見つけられたのだろうか?
大切なのは、星の数ほど打ち落とした『得点』ではなく、己が運命を切り開く『変革』が必要なのだ。
評価のみに盲いた現代の物語は安寧を求める者に守られて、正道を信じた物語は暖かい観衆の目に触れることなく葬られていくのだろうか?
『異界神剣を求めて〜独立交易自由都市へ』
「……した!?……ど……し……!?……どうした!?ガイ」
声が聞こえる。ぼんやりとした今の意識では、声というよりもさえずりに聞こえる。
鳥のような……でも、自身を呼ぶ声は少なくともとりではない。
「フィー……ネ?」
そう、鳥ではなく、隼の戦装束を纏った戦上手の女傭兵フィグネリアだ。
「一体どうしたんだ?いきなりボーっとして突っ立ったまま、動かなくなってたんだ。あんたは。ずっと黙ったままで」
「ああ、大丈夫。何でもない」
優しくつぶやく凱の掌に、折れたアリファールが視界に映える。
「アリファール、もう直す手段はないのだろうか?」
「いいんだ」
「良くないだろ!銀閃の竜具がない以上、どうやってあいつら『銀の逆星軍』と戦う
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