暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第264話 Happy Valentine
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人の顔が心地よくて、くすぐったくて、頬をぷくっ と膨らませていた玲奈の頬の空気が、ぷしゅ~ と抜けた。
「あ、あはは……。うん。私もリュウキ君。隼人君が一番好き、大好き。……だから」
玲奈は、鞄の中をごそごそ、と探る。
大事に大事に仕舞っていた今日一番のモノ。それを取り出すと、隼人よりも一歩前に出て、両手でその箱を持って 差し出した。
「沢山、沢山 愛情……込めたから。どうか 私のも貰ってください。私は 隼人君が一番好きです。大好き、です」
時刻はもう夕闇が迫る黄昏時。
玲奈の顔は、とても赤かった。それは隼人も同じく。 それをそっと受け取る。
笑顔のまま、だった。もう言葉は要らなかった。
何度だって伝えたいけれど、今日はもういらなかった。
受け取った後、玲奈を自分に抱き寄せた。
とても華奢な身体を傷つけない様に、それでも、自分の想いが伝わる様に―――。
―― Happy Valentine ――
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