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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第264話 Happy Valentine
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ー あのリュウキスマイル、勇者スマイルは無理だわぁ、皆惚れちゃうわぁ。ほんと」
「うぅ……、私、渡しそびれましたよぉ……」
傍から見てるだけでも高威力なのは判るし、十分過ぎる程知っている圭子に里香。
長く一緒に旅をしたし、共に戦い続けてきた仲間、間柄だから リュウキ耐性+2程備わってるからまだ まともだった。
それでも高威力なのは間違いない。離れた所で圭子は悶絶してしまいそうだったから。自分に向けられている訳じゃないのに。
「むーっ。リューキ君………! うぅ…… でも、流石にあの中で渡すのは……」
凄く複雑で複雑で、嫉妬心バッチリな玲奈。可愛らしく睨んでいる。そんな姿を見たら、里香の中のSな心を刺激してくれるのだが、直ぐ横にいる明日奈と言う名のBOSSがいるからあまりシャシャリ出る事が出来なかった。ゲンコツされるかも? と思ったからだ。
隼人だけじゃなく、和人もしっかりと何人かから受け取ってるから。
「黒の剣士に、白銀の勇者。もう学校内ではバレバレの超有名人だし、まぁ 仕方ないよ? うんうん。そりゃ、渡しちゃ駄目なんて法律無いし」
「どーどー、明日奈落ち着きなって。だいじょーぶだいじょーぶ、キリトだって明日奈一筋の一番だって。義理〜義理〜。あーれーは、ぎーりー」
ぽんぽん、と明日奈の背を摩る里香。黒いオーラの様なのが見えるし、これはからかうと、その黒い何か? に色々やられてしまいそうだから触らぬ神に、だ。
その後は学校も無事終わって、用事で向かった病院で藍子から。
帰りに詩乃から。
本当に沢山の人から貰った。
詩乃や藍子、木綿季から貰ったチョコレートも嬉しい。胸が熱くなる想いだったが、やっぱり隼人にとって特別なのは今隣にいる彼女からが一番だった。
「むー…… 良かったねー。たっくさん貰ってさ? 初めてのバレンタインでそれだけ貰えれば、凄いって思うよ?? これこそ、空前絶後の絶対無敵、そう、これが本当のゼッケンだよ!」
「……いや、それは流石に関係ないと思うけど。……剣?」
「細かいトコはいーの! だって、凄いじゃんー 凄いじゃーーんっ!」
「………」
隼人は苦笑いをしつつ、隣にいる距離、心なしか、少しいつもより僅か離れていた距離を詰めた。そっと手を取った。
「皆から貰えたのは嬉しいよ。……もらえたの初めてだから。……いや 厳密には初めてじゃないと思う。小さい頃、貰った様な気もする。仕事ばかりだったから あまり覚えてないんだ」
隣の彼女…… 玲奈は 少しだけ頬を膨らませたまま 隼人の方を見た。
「折角くれて、皆には悪いんだけど、俺はやっぱり玲奈が一番だから。……玲奈が一番大好きだから」
少しだけ困った様に笑う隼
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