暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第264話 Happy Valentine
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から、隼人君。そこに予定をびっしり入れちゃ駄目なんですよ? ちゃんと時間、空けておいてください。きっとALO内ででも イベントタイムはある筈ですから」
「あ、はい。……判りました。ありがとうございます、渚さん」
「……いーえ」

 渚はにこっ、と笑って持ち場へと帰って行く。


 でも、離れた後で少々顔を顰めていた。

 本当は内緒にしておきたかった。サプライズ的な意味で、渡して欲しかったが……、仕事をびっしり入れられて、当日会えません。と言うのは本当悲惨過ぎる。まだ同じ学校なら良いかもだが、状態は良好でも、まだ病院から出る事が出来ない藍子や木綿季。学校が違う詩乃。それに ALO内でしか会えない子も多い。忙しいから行けない、ログイン出来ない。……冷たい風が現実やALO内で吹き荒びそうな氷河時代到来が目に浮かぶ。
 折角ヨツンヘイムは緑を取り戻したと言うのに、また霜巨人族に占領されてしまったのか? と錯覚しそうな勢いで。


「全く……。綺堂さん? しっかりと教えてあげておいてくださいよ」
「ほほほ……。申し訳ない。お手数をおかけしました渚さん。私も、隼人坊ちゃんにお伝えはした筈なのですがね」
「あまり必要としなかった情報、って事で頭の奥底にしまっちゃったんですね……。きっと」


 だが、それも今年までである、と言う事はよく判る。
 愛する人が、沢山の友達が出来て、1年通して過ごすのは 厳密にはこれが初めてだと言うのは綺堂は知っているから。
 
「……頑張ってください」

 綺堂は そうポツリと呟く。
 それはきっと隼人だけではないだろう。
 今この時間……頑張っている子達全員へと向けたエールだった。




















 〜2月14日 バレンタインデー 〜



 場面は学校。
 いつも通りの授業、いつも通りの学校――ではなかった。

「隼人くんっ! 受け取って〜!」
「あっ ずっるい! わたしもわたしも!」
「はいはーい、こっちも宜しくー」

 靴箱に可愛らしく包装された箱が沢山。
 直接手渡される箱もある。

 勿論、隼人だけでなく他の男子もそれなりに貰っている様子。和人も似た感じだ。

 妙に冷たい視線を背に受けて、和人はびくっ、と震えていたが、隼人は ただただ驚いていて、固まっていた。

 何にせよ、プレゼントをくれた事が純粋に嬉しくて、初めての事だったから、くれた皆に…… は無理だが、少なくとも手渡された子には笑顔で礼を言っていた。

『ありがとう』

 ただその一言だけで報われた? とでも言わんばかりに意気消沈する女の子達。リュウキガールズたち。


「ありゃ無理でしょ……。天然ジゴロ
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