暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第264話 Happy Valentine
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のも良いですが……どうせなら こちらの方はどうです?」
「え……?」
指さされた方を目で追って見てみると、沢山の手作りチョコの型、チョコレートの材料、そして チョコレートの作り方を簡単にまとめ、更にはアレンジ集も含めた本。それら一式セットにされている商品もあった。値段も手頃。安いものでもチョコそのものを買うより少々高い程度。間違いなく詩乃の財布事情でも問題ない。
隼人や玲奈と一緒に、大型アップデート時に叩きだしたスコアによるクリアボーナス等で、大分潤った事を考えてみても、十分お釣りが来る程だ。
「ふふ。心を、沢山の想いを込めたチョコレートの方が良い……と、私は思いますよ。それに きっと、想いを込めた分、沢山喜んでくれると思います」
「あ、あう、そ、そのっ……!」
頭の中でシャカシャカシャカ、と金銭計算を繰り返していた所に笑顔でにゅっ、と割って入られて、さっき否定する様に首をふったばかりなのに、ばつが悪いと少し詩乃は俯かせた。
でも、『沢山の想いを込めたチョコレート』そして 『沢山喜んでくれる』の言葉には特に詩乃は強く反応した。
想い人…… そう、もう隠す必要はない。他の誰でもない。隼人の事だ。
隼人は、以前に色んなイベントに疎い、と自分で言っていた。つい最近の文化祭の準備期間中にもそう苦笑いを含めてぼやいていた。
SAOの世界には行った事は無いが、玲奈と想いが通じ合い、……恋人同士になれたのは最後の方だと聞いていた。だから、高確率でそう言うイベントには きっと参加はしていない筈だろうと思えたのだ。
……色んな意味で 初めてのバレンタインデーになる。それに きっと玲奈も同じ気持ちだろう。玲奈と同じ、とまでは言わない。だけど、判る事はある。
――きっと喜んでくれる。
それだけで詩乃はとても暖かい気持ちになれるんだ。
「……あ、じゃ、じゃあ こっちで……」
だから、意を決した様に 勧めてくれた方を選んだ。
笑顔で ぱちんっ とウインクしてくれた女性店員さんに何度も頭を下げて、デパートを後にする。
元々 最初から、何かしらの準備はするつもりだった。そして、準備は整った。
そう、言わば出撃準備はもう整った。
己の相棒。心強いへカートの調子も絶好調。そして 残弾数も防具も大丈夫。後は 決意だけだ。揺るがない決意と集中力。小さな小さな的を、外さない様に。これはどんな狙撃よりも精密さを求められる難しいミッションだから。
「うん。……やろう」
詩乃はきゅっ と手に持ったアイテム……一式道具を強く胸に抱いた。
こんな時もGGOに当てはめてしまう自分が何処か笑えてしまう。でも、強く集中できている事。これも全部あの世界で 培われたもの
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