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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第264話 Happy Valentine
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は仕様がないから朝田詩乃と呼ぶ事にしよう。
詩乃は学校帰り。帰り道にある大型デパートの入り口に立っていた。季節のイベントがあるからか、店頭ではどこもかしこも展示されているのはチョコレートばかり。様々な形のチョコレートがあるが、やはり目に移るのは 定番の形。……ハート型のチョコレート。
「……バレン、タインデー……か」
じっと この辺りに無数に、そして大々的に表示されている電光掲示板、看板を見つめる詩乃。
図書館の主を自虐的気味に自称する彼女は、そのバレンタインデーの元となる話、色々な逸話は知っていた。
聖バレンタインの元となった話。
それは悲しい話。バレンティヌスと言う人物の話だ。……この日は そのバレンティヌス司教が処刑されたとされる日。それが2月14日だ。
時代は3世紀、場所はローマ。……時の皇帝は若者の結婚を良しとしなかった。禁じた。兵隊となって戦争に出向く者たちがただ国の為だけに命をささげられる様に、愛する家族を持つ事を禁じた。
それを破ったのが……処刑された彼だ。
元となる話を知っていれば、何でこうも夢中になれてしまうのか。よく詩乃は疑問を感じていた。恋愛などくだらないとも何処か思えてしまっていた自分もある。
だが――それはもう過去の話だ。遠い……遠い過去の話。
想う人が出来れば、そんな由来など雲散霧消。頭の中から完全に消え去って、別の事を沢山考えてしまう。
つまり、どれを選ぼうか、……選び終えて、その後どうやって渡すのが一番か、と言う事だけだった。
「…………ん」
ジロジロと睨みつける様に、射貫く様に視続けた。
もうどれだけ時間が経ったか判らない。時間を忘れてしまう程にじっと詩乃は見ていた。
だからだろう。
「何かお探しですか? ご案内しますよ」
ニコっと笑う女性店員に声を掛けられたのだ。
傍から見れば睨みつけている様に見えなくもないが、睨んでる相手はチョコレート。そして長く、長く悩んでいる所を見たら、よーく判ると言うものだ。
どれを渡せば良いのか、……或いは相手にどう渡せば良いのか、大体そうと相場で決まってると言うものだ。
「あっ…… いえ、その…… ちょっと見てるだけで……」
元々は大人しい少女な詩乃。仲間が出来て、女の友達が出来て、……想いを寄せる人が出来たとしても、ベースは早々変わるものじゃない。少しだけフルフル、と首を振ってそう言った。
そんな所も読んだのか、或いは詩乃の表情が仄かに赤く染まっている所を見て察したのか、判らないが女性店員はただただ笑っていた。詩乃の表情、それは肌寒さなどではないと思ったから。女性店員はニコリと微笑みながら指をさした。
「お店のから選ぶ
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