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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第2章 鬼神の目にも涙編
Story 17 尻尾の掴み合い
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、小刀の切っ先を少女に向けたままバンリは淡々と短く問いかける。
少女は肩を竦めると、自分が着ている服がよく見えるように腕を広げながら口を開いた。
「私は評議院第3強行検束部隊専属諜報員兼専属救護係兼隊長副隊長補佐のミヅキ・オルニシアです。」
「第3……。」
やたら多くて長い役職名を名乗る女−−−ミヅキの言葉に、バンリは内心ドキッとする。
(あのルギアルという奴の部下か……。)
今でもあの時感じたルギアルの意味深な視線と微笑が脳裏を掠め、そのまま離れないでいた。
「あなたは
妖精の尻尾
(
フェアリーテイル
)
のバンリ・オルフェイドさんですよね?お噂は兼ね兼ね承っております。闇ギルド、
薔薇の女帝
(
ローゼン・エンプレス
)
の捕縛の際は大変お世話になりました。まぁ、その時私は別件でその場にいなかったんですけど。」
「………。」
「だ、だから、そんなに睨まないで下さいよ……。」
バンリが警戒心を緩める素振りも気配も一切見せない様子にミヅキはショックを受け肩を落とす。
「あの……出来れば刀を下ろして頂けませんか?この子も驚いてますし……。」
「……星霊。」
「さすがですね。天馬座のペガシスです。」
ミヅキは白馬−−−天馬座のペガシスの首の辺りを優しく撫でながら答える。バンリは渋々小刀を腰に戻した。
「ちょっと上の方に用があって来たんです。時間を大幅に節約する為に、この子に乗って移動していたんですけど、上に向かっている途中であなたを見つけたんです。何かを探している様子でしたので……って、聞いてます!?」
「………。」
これっぽっちも聞いていないことをベラベラと話し出したミヅキをそっちのけにし、バンリは読みかけだった魔法書に視線を戻す。
「古代魔法の解除方法?」
「!」
「何か解除したい魔法があるんですか?」
バンリの肩越しからペガシスに乗ったミヅキが魔法書を覗き込みながら問いかける。
「……関係無い。」
「あぁ、そういえば……先日、ここにある全ての魔法書を一気に整理されたんです。」
「!」
「いわゆる、季節外れですが大掃除ですね。ほとんどの魔法書は整理される前とは違う場所に移され、恐らくその時にバンリさんが探している魔法書もこの棚とは違う棚に移されたんだと思います。上の方はまだ整理が途中なんですよ。中に入ったのと同時に、空気がいつもより綺麗だと感じませんでしたか?」
「………。」
予想外すぎる展開にバンリはとりあえず今の状況を脳内で素早く整理する。
(大掃除……?そんな予定聞いたことないが、館内の空気の状態と前回来た時にはあった魔法書が無いことから、コイツは嘘はついていない……。こうなったら、仕方ない。)
バンリは読みかけだった魔法書を元あった棚に戻し、気
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