第八幕その十一
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「折角だからね」
「雨を降る中の薔薇も観たし」
「今度は雨上がりの薔薇を観よう」
「そうしましょう」
是非にと言ってです、そしてでした。
二杯目のローズティーを飲んでからです、先生は動物の皆と一緒に雨上がりの薔薇を観に行きました。するとです。
雨が止んで晴れてきているお空の下にお花だけでなく葉も茎も濡れたままの薔薇達があってその遠くにです。
洋館があります、洋館の屋根も壁もまだ濡れていますが。
「ここからね」
「少しずつ乾いていくけれど」
「その乾く前のこの濡れた感じがね」
「いいのよね」
「そうだね、薔薇に残っている水滴も」
そちらも観ている先生でした。
「風情があるね」
「詩的だよね」
「この雨上がりの薔薇と洋館も」
「それもね」
「これはやっぱりね」
是非にと言う先生でした。
「和歌にしたいけれど」
「じゃあ書くの?」
「そうするの?」
「これから」
「としたいけれどね」
ここで困った笑顔になる先生でした。
「それがね」
「うん、どうもね」
「それがだね」
「肝心のインスピレーションが来ない」
「そうなのね」
「そうだね、ただこの場面は覚えたから」
頭の中に記憶として残ったからだというのです。
「インスピレーションがあったら」
「その時はね」
「和歌を書けるね」
「薔薇と洋館のそれが」
「雨上がりのね」
まさにその時のというのです。
「出来るよ」
「じゃあね」
「その時は書いてね」
「僕達も待っているから」
「楽しみにしているからね」
「是非ね」
こう答えた先生でした。
「いや、本当にね」
「書いてね、また」
「そうしてね」
「そうさせてもらうよ、しかし日本の薔薇と洋館の組み合わせは」
この国にいて観るそれはというのです。
「ポエムにもなるけれど」
「和歌にもなる」
「そのどちらにもなる」
「素敵な場面ね」
「そうだね、どんな国のものがその中にあっても」
それでもというのです。
「不思議と合って詩になるのが日本だね」
「そうね」
「じゃあ今からね」
「またお茶ね」
「その時間になったね」
「そうしようね、お茶は飲めば飲む程いいから」
そうしたものだというのです。
「美味しいし身体にもいいからね」
「ビタミンあるし痛風にもいいし」
「他の成人病にもいいから」
「本当にいい飲みものよね」
「そうだね、だからまたね」
さっきローズティーを飲んだけれどそれでもというのです。
「また飲もうね」
「今度はどんなティーセット?」
「今日はどんな風なの?」
「アメリカ風だよ」
この国のものだというのです。
「レモンティーでね」
「それだね」
「じゃあセットもね」
「アメリカ風だね」
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