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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第53話 グランセル城での戦い
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がまさか飛行船の操縦が出来るとは思っておらず凄いと褒める。フィーは前に飛行船を使う仕事を受けた事があり、その時に西風の旅団で元飛行船の操縦士をしていたカイトに操縦の仕方を習っていたため大きな飛行船でなければ操縦はできるようだ。
 それにこの場には中央工房から出張していたペイトンという整備士もいた。彼は『アルセイユ』というリベールが開発している高速飛行戦艦の試運転のデータを取っていたのだが、特務隊にアルセイユを奪われてしまい途方に暮れていた所をユリアに呼ばれたそうだ。そして今回の作戦で飛行船の操縦をサポートしてくれる事になった。
 褒められてちょっと胸を張るフィーにシェラザードが一体何の仕事をしているのかと聞くと、彼女は可愛らしく首を傾けて疑問形で運搬業と話した。


「まあ今はそんな事は置いておきましょうか。それよりもそろそろ正午になるわ、あんた達準備はいいかしら?」
「あたしはバッチリよ!」
「わたしも大丈夫」
「自分は異常ないです」
「我々も問題ありません」


 シェラザードの言葉にエステルとフィル、整備士のペイトン、そして親衛隊の一員である3人の男性が返事をした。彼らはエステル達がアリシア女王陛下を救助する際に特務艇を守る役割をかって出てくれた人達だ。
 万が一敵の制圧が不可能な場合、アリシア女王陛下を連れて逃げ出すために特務艇は重要な存在になる。敵もそれを見据えて特務艇を狙って来るだろう、彼らはその際の防衛に当たる存在だ。


「でも良かったの?ただでさえ人数が足りないのにこっちに来て」
「向こうにはユリア隊長もおられますし我々は仲間を信頼しています。ですので気になさらないでください」
「そういう事なら特務艇をお願いするわね。フィルもサポートをするのはいいけど無茶だけはしちゃ駄目よ」
「ん、了解」


 女王陛下を救出するのはエステルとシェラザードで、フィーは特務艇に残って親衛隊のサポートをすることになった。本来なら彼女も一緒に行きたいだろうがエステル達に正体を隠しているためそれは出来ない。故にアーツでのサポートのみを許可されていた。


(歯がゆいけど仕方ないよね。わたしは自分に与えられた仕事をこなすだけ)


 一緒に戦えないことに歯がゆい気持ちがあるが、彼女は猟兵として自分が与えられた使命を全うしようと気持ちを切り替えた。



―――――――――

――――――

―――


 作戦開始の合図である正午の鐘が鳴り、リィン達はグランセル城の地下内部に潜入した。


「城門の開閉装置は親衛隊の詰所にあります、まずはそこを制圧しましょう!」
「応っ!」
「では行くとしようか」
「はい!」


 リィン達は南側の階段から一階に上がり、親衛隊の詰所に乗り込
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