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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
第二章 王子三人
第二十四話 密書発見
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の掲げる理想を引っ込めてでも、ヒルメスが行おうとしている政を認めてやろうと思うか?どうなんだ?」

ここでそれを聞くのか!だが、大丈夫だ。殿下の瞳に力が戻っている。しっかりと自分の言葉で語ることが出来るはずだ。

「いいや、ヒルメス王子に劣るとは決して思わない。私はこれまで王太子として、将来良き為政者となるために努力を重ねてきたつもりだし、これからもそうしたいと思っている。アンドラゴラス王は強い王だったとは思うが、国内政治における不公正さを放置し、他国と友好関係を築くことを怠り、次々と戦いが起こることを許してきた。私はそれを反面教師とし、奴隷を解放して社会的不公正を是正し、他国と友好関係を築けるよう努力し、それが難しいとしてもこちらから対話の窓口を閉ざしてしまうことはしないでいたいと思う。短期的には国民に多大な痛みを伴う改革を行う場合に、多くの国民が反対したなら、粘り強く説得を続け、理解を得られるよう努力をしたいと思う。私はヒルメス王子がやってきたこと、やろうとするであろうことを決して認める訳にはいかない。決してヒルメス王子に王位を渡すわけにはいかない!次の王には私がなる!」

その言葉が終わるとともに、そこに居合わせたラジェンドラ王子の臣下以外の全ての者がアルスラーン殿下に対し、跪いていた。いや、バフマン殿だけが…、今遅れてようやく跪いた。

◇◇

こうして、二人の万騎長がアルスラーンに忠誠を誓った。よし、これでようやくあの話が出来るな。ヒルメス王子をここペシャワールで捕殺するための打ち合わせが。

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