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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
第二章 王子三人
第二十四話 密書発見
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立ててあの場を去ったが、城外にまでキシュワードが追いかけてきおった。
キシュワードもキシュワードだ!ヒルメス王子を追いかけようとするのを止めた儂をそんな疑惑に満ちた目で見おって。儂のしたことが間違ってるとでもいいたいのか!だが、アルスラーン王太子が本当はアンドラゴラス王の実子でない以上、ヒルメス王子こそが唯一パルス王家の血を引いておられる方なのだぞ?何も知らない若造どもが、かさにかかって儂ばかりを責めおって。お前らに儂の苦悩が判ってたまるか!
む?何?もう一度軍議の場に戻れ?あの部屋で大変なものが見つかった故、儂から詳しい話を聞きたいだと!馬鹿な!あの密書が見つけられてしまったと言うのか!?
◇◇
私、ナルサスが見るところ、どうもラジェンドラ王子は上の空のようだ。頻りに何か首を傾げている。バフマン殿が出ていってからずっとそんな調子だ。
「ねーねー、殿下どうしたの?何かいつもにも増して変だけどー?」
「いや、何だかカサカサ音がしないか?多分、あの窓のところの帳からだと思うんだが、ちょっと見てきてくれないか?あとラクシュ、お前、後で殴るからな!」
「うひいい、すぐに見てくるから許してー!」
相変わらずこの二人のやり取りは珍妙だな。四年前と少しも変わらない。脱兎のごとくラクシュ殿が窓に駆け寄り、帳を上から下へと表裏を検めているが、む?何かを見つけた?
「殿下ー、ここ、何かあるよー?何か、太い糸で束ねられた紙束?手紙…なのかな?糊か何かで貼り付けられてるみたい…」
「おやおや、キシュワード殿。もしかして恋文をあんなところに?隅に置けませんなあ、全く」
ギーヴ殿が傍らのキシュワード殿を盛んに肘でつついているが、
「…い、いや、私はあんなところに隠した覚えなどありませんが…」
おや、どうやら違うようだ。では、一体何処に?まあ、そんなことはどうでもいい。一体何なのだ、あれは?ラクシュ殿が帳から紙束を剥がして裏表を見回している。
「宛名は…バフマンさん宛だねー。でー、差出人は…ヴァフリーズ?…ちょっと殿下、もしかしてこれ!?」
「ちょうど今話していたヴァフリーズ老からの手紙かもしれんな。こっちに持ってこい。…いや、バフマン殿を呼び戻して、立ち会いの下で中身を検めよう。キシュワード殿、バフマン殿はどちらに?」
「う、うむ、私が探してこよう、待っていてくれ!」
…何やら妙なことになったな…。しかし、これは偶然なのか?いや、ここで軍議をすることになったのは、ラジェンドラ王子が何やら言い出したからだった。もしかしたら、何から何までこの王子が仕組んだことなのではないのか!その様な思いにとらわれ、俺は全身の肌という肌がざわざわと泡立つのを抑えられなかった…。
半刻ほどして、キ
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