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東方刑務所の人狼ゲーム
残り一人のジンロウを探して〜零side〜
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聞く人だから、すぐに皆がどの役職かわかってしまうと思っていたけど、やはり合っていた。だからきっと妹の聖月もわかっているのだろう。
「とすると、零くんか達也くんが人狼かな?聖月はどう思う?」
 輝さんが急に聖月に話を振ると、聖月は一度大きく肩を揺らしてから答える。
「私には分からない。けど、一ついいかな」
 きっと、ここで僕か達也を疑ってしまったら最後、疑った方が今日の投票で最多票を獲得してしまうと思ったのだろう。その優しさはありがたく受け取りたいのだけど、そこで僕の名前を挙げても達也の名前を挙げても、きっと輝さんが正しい方へ持って行ってくれるはずだ。
「私と陽を除いた残り五人の中には狂人がいると思うの。占いで白とわかっていても、狂人の場合結果が白として出てしまうから、もう占いの結果なんて信じられなくなってくる頃だよ」
 その読みは当たっている。実際、この五人の中には狂人の役職を持っている人が居て、今も場を狂わせようとしているから。
「今日からは狂人についても考えていかなきゃいけないと思うんだ……」
 さて、狂人はどう出るだろう。白という結果の出ている狩人さんや霊媒師さんを狂人に仕立て上げるのだろうか。それともグレーである僕と達也のどちらかを狂人に仕立て上げるのだろう。
「そうだな。村人陣営が勝つには人狼も狂人も殺さないといけないんだ。だからどちらから殺しても同じか」
 どうするのだろう。輝さんは。序盤から皆を引っ張ってきているのだから、きっと皆輝さんの言葉を信じるだろうから凄いよね。
「俺は狂人が猿也だと思うんだよね。まだ役職をカミングアウトしてないしね」
「僕も同意見かな」
 ちょっと怪しかったかな。間に誰かを挟んでおけばよかったかもしれない。
「……俺は霊媒師だ!」
「でも、今になってポツリと出てくるっておかしいよね。狂人はいつも場を惑わせるんだ。今になって霊媒師を名乗ってもおかしくない」
「でも俺は?」
 どれだけ反論しようと、輝さんは全く動じない。その反論を一文字一句違えず予想していたかのような受け答えをしている。
「猿也は霊媒師だよ?狂人じゃない!」
「どうして?その証拠はあるの?聖月」
「それはっ……ない」
 聖月も結局お兄さんに負けてしまっている。彼女は押しに弱い性格なのかもしれないね。
「達也はどう思う?」
「俺も……輝さんがそう言うのなら、そうかもしれない……」
 凄いよ輝さん?確か初対面の達也を味方につけている?
 今回はちょっと押しが弱かった気がするけど、まぁ大丈夫だよ。
「さぁ、投票の時間だ。投票をしよう」


四日目 投票結果
聖月  → 輝
達也  → 猿也
零   → 猿也
陽   → 猿也
一鶴  → 零
猿也  → 輝
輝   → 猿也


―――
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