一歩間違えれば死のゲーム〜陽side〜
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「あの、早速なんだけど……」
会議が始まってすぐ、雷が手を上げた。
何を言うのか、長く一緒にいた俺にも分からないが、ただその真剣な表情から言うのにとても勇気が必要であることが分かる。
「僕は……共有者だよ」
「雷……?」
「何で言うんだよ!」。その言葉を出す直前に俺は言葉を止めた。それを言ってしまったら俺も共有者であることがばれてしまう。雷も絶対それは望んでいない。黙っていなければいけないのだ。
「雷……おいで」
聖月は俺の隣で死の恐怖に体を震わせる雷を自分の元に呼び寄せ、そして雷を抱きしめた。
「雷、不安だよね。でも一緒に人狼を見つけ出そうね……」
「……うん」
雷も聖月の服をきゅっと握り返す。
「……昨日、私のところに人狼が来たの。けど、狩人に守られていたみたいで、人狼はドアを開けることができなかった。だから朝、犠牲者が居なかった」
聖月がそう言うと、その場の空気が一気にピリッとなり、みんなが緊張していることが手に取るようにわかってくる。
「だけど、ドア窓から人狼の姿は見えなかった。だけど……ハッキリと声が聞こえたの」
「っ……?」
あれ……レンが他に比べて大きく反応をしている?ま、気のせいだよな〜。驚くことなんて誰でもあるし。
「そ、それって誰の声……!?」
「ごめんなさい。そこまでは分からなかった」
……でも一応目、つけておくか?いや、きっとレンは聖月が心配なんだ。まさか、レンが人狼なわけないよな。
「それより、さっきからずっと黙っているけど、どうしたの?沙耶香さん」
輝さん、結構ズバズバ行くけど、大丈夫なのか?疑われるのが怖くないのだろうか。
「みんなの話を聞いて考えてるだけ。早く話進めてよ」
「そっか。がんばってね♪」
うわぁ……輝さんがお兄さんってすごいよね、聖月。尊敬する。
真っ黒な笑みを浮かべつつ、議論を進める輝さんは恐らく村人陣営では無い。だけど、これで疑ったら輝さんは俺にみんなの目が向くように仕向けられる。
輝さんを疑うのは最後の最後まで取っておかないといけない。
「今日のところはグレー投票にしようか」
「ぐれーとうひょう?」
「能力者としてカミングアウトしてなくて、更に占いでも白ってわかっている人を避けて投票すること」
分かりやすい説明だなぁ、輝さん。
素直に尊敬しようと思っても、その裏が怖くて尊敬できない。怖い人だ。
きっと輝さんに憧れる人もいるのだろう。顔も良ければスタイルも良いし、頭も冴えている。
けど、今こんなに必死そうに話して、何をしようと――――?
聖月 → 占い師
レン → 灰
達也 → 灰
ダイヤ → 灰
沙耶香 → 灰
零 → 灰
陽 → 灰
雷 → 共有者
一鶴
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