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東方刑務所の人狼ゲーム
死の一夜を明けて〜五夏猿也side〜

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 夜が明け、人狼ゲーム二日目の朝が来た。すると、皆急いで各部屋を回って、メンバーを起こしに行った。

二日目 朝 犠牲者なし

 皆が会議のためにリビングに集まり、椅子に座ると―――――一つの椅子だけがポカンと、穴が開いたように空いていた。
「……犠牲者なし……ってことでいいんだよね」
 沈黙を破ったのは、涙を必死に堪えているように見える聖月だった。少し俯いた状態で、ポツリと言葉を紡ぐ。よく聞かないと聞き逃してしまいそうなほど小さな声だったが、皆の耳にはしっかりと届いたらしい。
「そうだね。狩人が守ったんだよね」と沙耶香。
「……狩人さん、ありがとうございます」と雷。

 ……最悪だ。

「……皆、寝不足かい?それなら夕方にまた集まろう。それまでは自由に過ごすんだ。じゃあね」
 そう言って静かに去っていく輝さん。それに続いて囚人達も部屋に戻っていく。
「……猿也と私って、みんなより行動が一歩遅れているのかな」
 最後に残ったのは聖月と俺だけだった。
「遅れてるってわけじゃなくて、着いていく気がないんだろ」
 くすくすと笑う聖月。これで少しは気がほぐれただろうか。やっぱり笑っている方が絶対にいい。
「猿也、教えて。貴方は……霊媒師ですか?」
「   」
 「大丈夫だよ」と一つ呟いてから、彼女も立ち上がって自分の部屋の方へ向かっていってしまう。
 ゆっくりと手を伸ばすが、その手は彼女の腕に届くことなく、空しく宙を切って終わる。
 どこか悲しそうな後姿を、俺は部屋に戻ってからもずっと覚えていた――――――


五夏猿也 役職・霊媒師?

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