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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
第二章 王子三人
第二十三話 城塞集結
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、やりますなあ!」と、ラクシュ殿は「アルスラーン殿下、グッジョブ!」とそれぞれの言葉で絶賛してたなあ)、
あのときは確かに嬉しかったが、でも本当はダメだよな。あの二人はこいつの臣下じゃないからあんなことが言えるんだ。主君ともあろうものが、自らを犠牲にしようなどとするものではない。そんなことをして、お前が死んでしまったら、お前の臣下はどうすればいいんだ?それまでの献身も労苦も全て無駄になってしまうではないか!
そんなことがあったからなのかな?ザンデとかいう家臣を失ったせいか、怒りに我を忘れた銀仮面の男がこいつに猛然と斬りかかってきたとき、私はごく自然に、身を挺して庇っていた。躱すことも、防ぐこともできないなら、もうそれしかないものな。見ててくれたか?これは臣下の、そして、騎士の仕事だ。私はまだ騎士見習いだけれどな。決して主君がやるようなことじゃ、ないんだからな!
潮が引いていくかのように、銀仮面の軍勢が退いていく。ペシャワール城塞から兵が駆けつけてくれたのか。良かった、私とこいつが折り重なるように屍を晒すなんてことにならずに済んだ。私はこいつを守れたんだな。
何だよ、そんな顔はやめて欲しいなあ。私は満足なんだぞ?騎士の本懐ってやつを遂げられたんだ。水を差さないで欲しいのになあ。
だったら、一つわがままを言っていいだろうか?私の名前は本当はエステルと言うんだ。最後に、そう呼んでもらってもいいだろうか?…ありがとう。もうこれで本当に思い残すことは無―
◇◇
「大丈夫です。これで峠を越えました」
レイラの手が、依然目を覚まさないままだが大分血色のよくなったエステルの頬を優しくさする。「ん…」と少し小さくエステルが声を漏らす。弱々しくはあるものの、それでも生きている証拠だ。
「そうか、相変わらず見事な腕だな、レイラ」
「いえ、その様なことは。半分以上は殿下から教えて頂いたことがあってこそですし」
「いや、だとしてもな…」
三人娘にはそれぞれ得意分野があり、それぞれの分野で才能を開花させた。
統率力とカリスマに恵まれたフィトナは支配者としての才能を、
腕力と闘争心に富んだパリザードは戦士としての才能を、
知恵と探究心に秀でたレイラは医者としての才能を、
そして今回エステルを救ったのはレイラだった。
麻酔をかけ、傷口を縫い、輸血と点滴を施したのだ。
俺が昔、チョロっと漏らしたことを荒削りとは言え全て形にしているとはな。
とにかく、これでエステルは大丈夫だろう。しばらくペシャワールで静養してもらうことにはなるとしてもな。
さて、それじゃあ今度は、この世界を一気にバッドエンドに落とし込みかけやがったヒル
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