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ラジェンドラ戦記〜シンドゥラの横着者、パルスを救わんとす
第二部 原作開始
第二章 王子三人
第二十三話 城塞集結
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ふん、要らぬ心配よ!あの橋は昨年、石の橋に架け替えられておる。フゼスターンのミスラ神殿の新しい神官長、イグリーラス殿からの提案で、神殿とペシャワール城塞とで資金と人手を折半してな!」

イグリーラス?それってファランギースの婚約者の?いや、もう四年もたってるんだ。既に結婚して子供がいたっておかしくないか。それにしてもこっちに戻って、神官長になっているとは!

「イグリーラス殿なら面識があるぞ!彼は、それとその奥方はお元気なのか?」

「お、おお、あのご夫妻は架橋作業の立ち合いに何度か来られてな。奥方は双子のお子たちを抱いておられた。夫婦仲睦まじく皆お元気であったな」

自分の知り合いを俺が知っている。その事実を前に老将の口調が軟化し始めた。この男、そんなにこの国に知己が多いというのか?だとすると、アルスラーン殿下と義兄弟の契りを交わしているというのもあながち嘘ではないのか?いや、ガーデーヴィ派からの評価を忘れてはなるまい。しかし、本当にそうなのか… そんな副音声が聞こえてくるかのようだ。パルス人、本当に腹芸苦手だよな。

よし、ここは前世での知識を総動員して、パルス人との知り合いエピソードを捏造しまくろう!大丈夫、マヌーチュルフとかシャプールとか、既に故人になってるヤツとの話にすれば、ネタが割れる心配はない!

そうしていつもより心持ち舌の回転率を上げて、矢継ぎ早にいろんな思い出話をその場ででっち上げつつ話していると、足早に駆け込んできた者があった。どうやら伝令兵らしい。片膝をつき、バフマンに向き直り報告を始めた。

「申し上げます。先ほどキシュワード様麾下の一隊が王太子殿下御一行を発見。すぐさま全軍で、御一行に襲いかかっていた不逞の輩を追い払いました。間もなく王太子殿下御一行を伴い、キシュワード様がお戻りになられます!」

おお、そうか、四年ぶりに、アルスラーンやナルサス、ダリューンたちに会えるな。ラクシュとかとは2ヶ月ぶりか、それは別にいいが、エステルや、外伝でしか知ることが出来なかったシンリァンを目の当たりに出来るというのは素直に嬉しく思える。だが、その後のやり取りを聞き、俺は…

「それで、王太子殿下は、その御一行の方々はご無事か?怪我などはしておらぬのだろうな?」

「それが……エトワールと呼ばれていたお方が、銀仮面の男に斬られました!」

俺は一気にどん底へと突き落とされた。

◇◇

全くもう、あのアルスラーンという少年は本当にしょうがないやつだ、と私、エトワールは思わざるを得ない。

大して年齢は変わらないように見えるのに、初めて会ったときからやたらと年上ぶるのだ。それで少し癇に障って年齢を聞いてみたら、何とたった二ヶ月とは言え私の方が年上ではないか!なのに、こいつは勝手に人を妹扱いして
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