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デスダッシュから始まる異世界冒険譚
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気をつけたから落ちることもない。

>軽業スキルを取得した

レベルを上げておいたほうが良いな。こいつは便利だ。

「えっ、あれ?今、下にいましたよね」

「軽業は冒険家には必須だからな。すまんが、胸当てに兜を外させてもらうぞ。それから籠手もだ。少しでも軽くして貰った方が楽に助けれるからな」

返事を聞く前に結び目をほどいて装備を外させる。こんな若い娘まで騎士として戦わないといけないなんてな。

「よし、少しだけ揺れるぞ」

装備を外して軽くなった少女を抱えて民家の屋根に飛び移る。

「っ!?」

着地の衝撃で折れた部分が痛かったのか、悲鳴が出そうになるのを歯を食いしばって堪える少女を優しく降ろして具合を確かめる。オレているのは右手と右足、肋骨も右側が少し折れているな。懐から布を取り出し、もう一度木に飛び移り、手頃な枝を二本折って戻る。

「応急処置を施す。このままだと移動するだけで悪化しそうだからな」

枝と布で右手を軽く固定した所でスキルが手に入る。

>応急処置スキルを取得した

すぐにレベルを上げて、添え木からやり直す。

「凄い、痛みが殆ど無くなった」

「ただの応急処置だ。治っているわけじゃないからあまり動かすな。とりあえず、何処まで運べばいい?先日この街に着いたばかりでこういう場合何処に避難するのかわからないんだ」

「あっ、はい、えっと、基本的には神殿が避難場所になっています」

「なるほどね。それじゃあ、捕まっていてくれ」

再び少女を抱き上げて屋根の上を跳ねていく。軽業スキルと運搬スキルのおかげなのか、負担を与えること無く運ぶことが出来た。教会の近くまで行けば怪我人が集められている場所があるので人が空いている場所に降りて近づく。こちらに気づいたのか白衣を着た女性が近づいてくる。

「汚れを落とします。びっくりしてそちらの方を落とさないようにしてください」

「頼みます」

「■■■ 柔洗浄」

全身を水のような何かが覆い、汚れが落ちていくのが分かる。ただ、全身が濡れたままで若干気持ち悪い。詠唱も初めて聴いたが長文を強引に単語にまで圧縮してみましたって感じだ。

>生活魔法スキルを取得した

「続けて■■■ 乾燥」

なるほど、別の魔法があるのか。うん、服も身体もすぐに乾燥した。だが、風呂とは違う感覚であまり落ち着かない。やはり湯船に浸かりたい。

「それではあのチョークで書かれた円の中に入ってください。あの怪我人が集まっているところです」

円の中には鮨詰めとなって人が集まっている。さすがにお姫様抱っこのままでは迷惑になるな。

「支えるから少しだけ我慢してくれ」

「大丈夫です」

少女の右側をかばいながら支えて円の中
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