暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第75話「そして……」
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シンもないのに私並の回復スピードって」

「自然治癒が早くなる呼吸法があってな……」

「どこの漫画なのさ」

 ……うん。やっぱり千冬姉を含めた三人は色々おかしいな。

     スパンッ!

「今変な事を考えただろう」

「怪我人相手にも容赦ねぇ……」

 出席簿ではなくカルテで千冬姉は俺を叩いた。

「というか、なんか千冬姉、不完全燃焼っぽくないか?」

「あー、それな、千冬は俺たちがISを使った際に対抗しようと想起に乗るつもりだったんだが―――」

「それ以上言うと治療期間をもう一週間延ばすぞ?」

 桜さんの言葉に千冬姉が脅すように言う。
 しかし、面白そうに顔をにやけさせた桜さんの言葉は止まらなかった。
 ……安全より愉快を取るのか、桜さん。

「―――結局、乗る必要がなくなっでっ!?」

「うわぁ……煙が出てる……」

 俺以上に強く叩かれ、叩かれた場所から僅かに煙が出ている程だった。

「んん゛。まぁ、この不完全燃焼は後々お前たちに何とかしてもらうさ」

「だってさ、桜さん」

「だってさ、桜さん」

「秋十君もマドカちゃんも息ピッタリだな!?……って、え?マジで?」

「マジだが?」

 少なくとも怪我人に対して要求する事ではないだろう。
 ……でも、桜さんだしなぁ……。

「……ところで、束さんは?」

「ああ、あいつなら、動けるからと私たちが根回しした事の確認に行っている」

「根回し……あぁ、そういう事か」

 “根回し”。これは俺たちが桜さんとの決戦に臨む前に仕込んでいた事だ。
 俺たちが普通に桜さんたちを止めた所で無意味。
 結局は桜さん達が予測した通りになってしまう。
 ……その事に対する、対抗策だ。

「……俺たちの知らない所で色々やってくれちゃって……」

「こうでもしなければ納得しないだろう?」

「……まぁ、な。さて、どうなってる事やら……」

 この分だと、桜さんはまだ知らないらしい。

「っと、そういえば目が覚めた事を他の連中に伝えていなかったな」

「あ、そういえばそうだね」

「さて、覚悟しろよ?」

「えっ?」

 千冬姉の笑みに、一瞬俺の顔が引き攣る。
 桜さんはどことなく予想できたらしく、苦笑いだった。





「秋十っ!」

「兄様!!」

「ふ、二人とも速いよ……!」

「急ぎすぎ……!」

「大丈夫ですの!?お二方とも!」

 鈴、ラウラ、シャル、簪、セシリアの順に駆け足で病室に入ってくる。
 前者二人が凄い勢いだな……。

「止められなかったわ……」

「はぁ……はぁ……桜さん……!」

「……無理して走らな
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