さらば王女ビビ、また会う日まで
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まり、静寂が場を支配する。
とある王宮の一室でビビは自身の王であるコブラとその側近であるぺル達と対面していた。
「迷っているのだろう、ビビ?」
「パパ……」
父の的確な問いかけにビビは狼狽える。
「ルフィ君達の仲間になるか、王女として過ごすかの板挟みの状況に……」
「確かに一国の王女が海賊になることは前代未聞の出来事であることは間違いない。王女として許されることでもないだろう」
今やアラバスタ王国は復興の最中にある。
この重要な時期に一介の王女が海賊の仲間に加わり、国を飛び出すなど言語道断だ。
「だがなビビよ、私は一国の王である前に一人の父親だ」
コブラは自身の愛娘であるビビに優し気に語り掛ける。
慈しむ様に、安心させるように穏やかな口調で
「親とは誰よりも子供の旅立ちと成長、そして幸せを望んでいるものだ」
無論、王女としての道を選ぶことも望んでもいるが
「ビビよ、お前にはこれまで随分と苦労を掛けてしまったな」
一国を脅かす組織、B・Wへと侵入し、死と隣り合わせの人生を歩ませてしまった。
そのことに一介の父親として申し訳なく感じていたことは否定出来ない。
「もしもの場合はアラバスタ王国のことは任せておけ。なあに、私には頼りになるイガラムとペル、チャカがいる」
「それに我が愛するアラバスタ王国の国民もな」
王女としての道を違えようとしているビビをコブラは王ではなく、一人の父親として背中を押す。
愛する娘の人生に幸あれ、と強く望んで
「ビビ様、成長なされましたな。このペル、感服致しました」
「ペル……」
次にぺルが王女へと諫言する。
「本当に大きく、逞しくなられた。一国の王女として、そして女性としても……」
ビビの頬が紅く染まる。
彼女の反応からコブラ達は確信した。
「何も恥じる必要はありませんぞ、ビビ様」
チャカのぺルへの援護射撃、その言葉は羞恥に耐えるビビに突き刺さる。
「彼には私がクロコダイルの強靭な力に敗れそうになった折に助けてもらった恩がある。無論、ペルも同様だ」
ペルも力強く首肯する。
「実力良し、性格良し、ルックス良し」
「かなりの優良物件ですぞ、ビビ様!」
「うむ、ビビよ。彼をあのリストに候補者として記しておこう」
「おお、それは良案ですな、国王様!」
「おお、それでは早速このイガラム、件のリストを探してまいります!」
「ちょっと待って、皆!?」
リストって何!?
候補者って何!?
あとそのニヤニヤした表情止めて!?
「まあ、ともかくだ、ビビよ。自分の心に素直になるのだ」
「パパ……」
人生は一度きり、愛す
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